【9月10日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン大統領は9日、新たな首相にセバスチャン・ルコルニュ前国防相(39)を任命した。ルコルニュ氏は10日に就任する予定となっているが、この人事に反発する大規模な抗議デモが全国各地で発生している。警察との衝突も起き、これまでに数十人が拘束された。

フランス国民議会(下院)は8日、フランソワ・バイル前首相の信任投票を反対多数で否決。財政再建計画に反対する野党からの信任を得ることができず、就任からわずか9か月での退陣となった。

新たな首相に任命されたルコルニュ氏は、マクロン氏が2017年に大統領に就任して以来7人目の首相で、過去1年では3人目となる。

抗議デモは、主に左派のグループが中心となって「すべてをブロックせよ」をスローガンに展開された。全国で約8万人の警察が動員され、パリとその周辺では、デモ参加者がゴミ箱でバリケードを築き、学校や道路を封鎖し、警察にゴミを投げつける場面もあった。

南東部リヨンでは市内の道路が封鎖され、ゴミ箱に火が放たれた。西部ナントでは警察が催涙ガスを使用してデモを解散させた。ブリュノ・ルタイヨー内相は、暴力行為は容認されないと警告し、同日の午前中までに主にパリと周辺地域で約200人を拘束したと記者団に述べた。

南部マルセイユでは、警察が約200人のデモ参加者による主要道路の封鎖を阻止した。

リヨンで抗議に参加した男性は、マクロン氏が自身の盟友を新首相に任命したことについて「平手打ちされたようだ」と語り、「変化が必要だ」と訴えた。(c)AFP