「戦場は総選挙」ロシアがモルドバ「掌握」試み サンドゥ大統領
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【9月10日 AFP】モルドバのマイア・サンドゥ大統領は9日、ロシアが今月行われる総選挙でモルドバを再び支配下に置こうと「無制限の」干渉を行っていると述べた。
サンドゥ氏は仏ストラスブールの欧州議会で演説し、「2025年9月28日、モルドバ史上最も重要な選挙が行われる」と述べた。
「われわれは今、ウクライナへの全面侵攻以前には見られなかった規模の、無制限のハイブリッド戦争に直面している。クレムリン(ロシア大統領府)の目的は明白だ。総選挙を通じてモルドバを掌握し、ウクライナへの攻撃に利用し、そしてモルドバを欧州連合(EU)に対するハイブリッド攻撃の足掛かりにすることだ」と訴えた。
モルドバは、ウクライナとルーマニアの間に位置する、人口260万人の旧ソ連構成国。
サンドゥ氏と欧州の同盟国は、ロシアがモルドバの不安定化を試みていると繰り返し非難している。
モルドバを正式なEU加盟交渉へと導いたサンドゥ氏は、「われわれの欧州への道は、単なる価値観の問題ではなく、存亡の問題だ。そして、まさにこの道を大きく前進させたからこそ、ロシアはわれわれに対してハイブリッド攻撃の武器を解き放ったのだ」「戦場はモルドバ総選挙だ」と述べた。
サンドゥ氏は、違法な暗号通貨による資金調達から、ソーシャルメディアでの偽情報キャンペーン、直接的な票の買収に至るまで、ロシアが行ったとされる数々の戦術を詳細に説明。
「モルドバは自国の民主主義を守る上で孤立しているわけではない。EUが財政的、技術的、そして政治的にわれわれを支援しており、深く感謝している」と付け加えた。
EUは総選挙を控えるモルドバを全面的に支援しており、先月はドイツ、フランス、ポーランドの首脳が象徴的な共同訪問を行った。(c)AFP