【9月3日 AFP】2024年8月に死去した伝説的なフランス人俳優アラン・ドロンさんの次男が、父親の遺言の無効を求めていることが、遺言執行者の2日の発表で分かった。ドロンさんの死去からわずか1年余りで、家族間の争いが再燃した形だ。

5年前に脳卒中を患い、ドロンさんの健康状態が急激に悪化して以降、3人の子どもたちはメディアと法廷で公然と対立を深めていた。

次男のアランファビアン・ドロンさん(31)は遺言の取り消しを求めて提訴した。審理は2026年3月に予定されている。遺言執行者の一人である弁護士クリストフ・アエラ氏によると、遺言がドロンさんの長女アヌーシュカ・ドロンさんに有利な内容になっていると判断したためだという。

先週、長男のアンソニー・ドロンさん、アヌーシュカさん、それと遺言執行者3人に送られた召喚状によると、アランファビアンさんは「2019年の脳卒中以降、父には必要な判断力がなかった」として、遺言の無効を求める意向を示している。

2022年の遺言では、1963年に出演した映画『山猫』の権利について、アヌーシュカさんを唯一の相続人としている。また、父親のイメージや商標権を管理する会社の51%の支配権をアヌーシュカさんに与えるとした2023年2月の決定についても異議を唱えている。

アエラ氏は、きょうだい3人の間で仲裁を試みたいとしており、「ドロンさんは子どもたちが遺言をめぐって争うことを望んでいなかったと思う。うまく仲裁できることを願っている」とAFPに語った。

アンソニーさんとアヌーシュカさんの弁護士は、現時点でAFPの取材に応じていない。(c)AFP