日本の大学生グループが上海を再訪:「卒業後はここで働きたい」
このニュースをシェア
【9月21日 東方新報】「日本の大学生100人が中国を見る」訪問団に参加する約30名の日本人大学生が8月29日、上海市青浦区を訪れた。一行は5日間の河南省(Henan)での旅程を終え、帰国途中に上海に立ち寄った。大学生たちは日立エレベーター(上海)有限公司を見学し、中国で事業を展開する日系企業の現状を視察。また、有名な観光地である江南の水郷・朱家角では、上海の歴史的な側面や穏やかな雰囲気を体験した。
青浦区は上海市西部に位置し、江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)などの都市に隣接している。水路が網の目のように広がり、農業が盛んな一方、数多くの外資系企業が拠点を置く地域でもある。現在、同区には約190社の日系企業が進出しており、納税額ランキングで常に上位に入るユニ・チャーム(Unicharm)やピジョン(Pigeon)、日立エレベーターなどの業界をリードする企業も含まれている。
日立エレベーター(上海)有限公司では、学生たちは秒速10メートルのエレベーターで135メートルの高さまで上がり、市内を一望。展示場では、最近発表されたミニマルデザインの家庭用エレベーターや、非接触で呼び出す先端技術を実際に体験した。見学後の質疑応答では、学生たちから活発な質問が相次いだ。神戸外国語大学の加賀谷風月さんは今年2月にも青浦を訪れたことがあるが、日本でよく知られる大企業が当地に拠点を置いていることを初めて知ったという。「将来、機会があればここで働きたい」と語った。
青浦は経済が活発なだけでなく、上海の水郷としての魅力が凝縮された地域でもある。元蕩湖の湖畔では、変化に富んだ景観が学生たちを驚かせた。この日、学生たちは上海大観園も見学。中国の古典文学『紅楼夢(Dream of the Red Chamber)』をテーマに造られたこの大規模な庭園で、駒澤大学(Komazawa University)の御手洗優斗(Yuto Mitarai)さんは友人たちとともに、作品の有名な場面を思い出そうと話し合っていた。
朱家角古镇では、ゆったりと進む小舟から、水路沿いに建つ古い家並みや、伝統衣装を身にまとった少女たちの姿が見られた。父親の仕事の関係で9年間上海で過ごしたという中央大学(Chuo Univerisity)の中山怜(Rei Nakayama)さんは、「上海市街から離れて、街の穏やかで優しい一面を見るのは初めてだ」と語った。
「日本の大学生100人が中国を見る」シリーズ企画は2024年に始まり、これまでに日本の大学生たちを四川省(Sichuan)、上海市、安徽省(Anhui)、河南省など中国の沿海部と内陸部の都市に招いてきた。この企画は、日本の学生が中国の多様な姿を直接見て、現代中国を肌で感じることを目的としている。今回の上海青浦でのプログラムは、日本東方新報(Toho Shinpo)、上海市メディアの新民晩報(Xinmin Evening News)、青浦区政府新聞辦公室が主催し、在中国日本国大使館の後援を得て実施された。(c)東方新報/AFPBB News