【9月1日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区の全住民を移住させ、米国がパレスチナ領土を管理するという計画をドナルド・トランプ政権が検討していると、米紙ワシントン・ポストが8月31日に報じた。

2023年のイスラム組織ハマスによる攻撃を契機に始まったイスラエルとの戦争によってがれきの山と化したガザ地区は、少なくとも10年間、米国管轄による信託統治に変わると同紙は伝えた。

この計画のもう一つの目的は、トランプ大統領がかつて述べた「中東のリビエラ」構想に基づき、パレスチナ人たちが今後の国家の一部にしたいと望んでいるガザ地区を、観光リゾートとハイテク拠点に変換することだと、38ページに及ぶ計画書の概要を閲覧した同紙は報じている。

同紙によれば、ガザ地区の人口約200万人を少なくとも一時的に移住させる必要がある。その方法は、「自発的」な他国への移住、あるいは再建期間中に同地区内部の制限された安全区域への移動のいずれかになる。

土地を所有するガザ住民には、土地開発の権利と引き換えに信託機関からデジタルトークンが付与される。このトークンは新生活を始めるために使用し、最終的にはガザに建設される6~8の「AI搭載スマートシティ」のアパートとの交換が可能になると、計画書には記されている。

米国務省は、AFPの取材に対してコメントしていない。

トランプ氏は今年初め、米国がガザ地区を支配して全住民を退去させた上で海辺の不動産開発を行うべきだと発言。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの提案を称賛したものの、欧州諸国やアラブ諸国からは強い反発を浴びている。

トランプ氏は先週、戦後のガザ構想に関する会議を主宰したが、ホワイトハウスはその内容を公表せず、決定事項も発表していない。(c)AFP