「南京事件」描く映画、中国で大ヒット 残虐描写を多くの子どもが鑑賞
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【8月29日 AFP】1937年に起きた「南京事件(南京大虐殺)」を描いた映画『南京写真館(南京照相館、Dead To Rights)』が中国で7月25日に公開されて以来、興行収入でトップを走っている。
巧みな演出と豪華なスター陣がそろった『南京写真館』は、旧日本軍が6週間にわたり大量虐殺、レイプ、略奪を繰り返し、数十万とは言わずとも数万人が命を落とした当時の中華民国の首都南京を舞台にしている。
南京事件を描いた他の映画と同様、『南京写真館』も残虐行為を遠慮なく描写しているが、観客は気にしていない。
上海にある映画の撮影所は現在一般公開されており、AFPが今週訪れた際には、熱狂的なファン(多くは幼い子どもたち)であふれかえっていた。
爆撃で破壊された建物から、第2次世界大戦中の中華民国の最高指導者、蒋介石を描いた巨大な壁画が見下ろし、機関銃の音が鳴り響く中、次々と押し寄せる人々が、自撮り写真を撮ったり、興奮気味にライブ配信したりしていた。
この映画は、軽薄さの裏で、強い感情を呼び起こした。
「He」という名字の女性は日本に対する思いについて、「深い心の痛み、根深い憎しみを覚える」「将来何が起ころうとも、歴史を心から消し去ることはできない」と語った。
ある男性は、この映画を観た5歳の息子を連れて、2000キロ近く離れた寧夏回族自治区北部からやって来たと語った。
別の少年は、焼け焦げたがれきと割れたガラスの山の上で、中国国旗を掲げ、勝ち誇ったポーズを取り、両親が夏の青空を背景に息子の写真を撮っていた。