ハマスが降伏しなければガザ併合を イスラエル極右閣僚
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【8月29日 AFP】イスラエルの極右ベツァレル・スモトリッチ財務相は28日、同国政府に対し、イスラム組織ハマスが降伏と武装解除を拒否し続ける場合、パレスチナ自治区ガザ地区の一部の併合を開始するよう求めた。
2年近く続く紛争を終結させるためハマスとの合意締結に声高に反対してきたスモトリッチ氏はエルサレムで会見し、「年内にガザで勝利する」計画を発表した。
この計画では、ハマスに最後通牒(つうちょう)を突き付け、降伏と武装解除、2023年10月の攻撃以来ガザに拘束している人質の解放を迫る。
拒否された場合、イスラエルは4週間にわたり毎週ガザの一部を併合していき、ガザの大部分をイスラエルの完全な支配下に置くべきだとスモトリッチは主張している。
最初にパレスチナ人にガザ南部への移動を命じた後、ガザの北部と中部を包囲し、そこに残るハマスを殲滅(せんめつ)し、最終的に併合に至るという。
スモトリッチ氏は「これは3~4か月で達成できる」と主張。ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し「この計画を直ちに全面的に採用する」よう求めた。
これに対しハマスは、「パレスチナ人に対する強制移住と民族浄化の政策を公然と支持するものだ」と反発した。
スモトリッチ氏ら連立政権の極右議員は、イスラエルが2005年に軍と入植者を撤退させたガザにおける入植地再建への支持を表明している。
入植運動の熱心な支持者で、自身もイスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の入植地に住むスモトリッチ氏は先週、ヨルダン川西岸での大規模な入植地建設計画計画を承認した。
スモトリッチ氏は、エルサレムと既存の入植地マーレアドゥミムの間に位置する「E1」と呼ばれる土地に入植者住宅を建設する計画の目的は、「パレスチナ国家構想を葬り去る」ことだと述べている。(c)AFP