ベネチア国際映画祭開幕 ガザ問題も焦点に
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【8月28日 AFP】第82回ベネチア国際映画祭が27日、開幕した。オープニング作品はパオロ・ソレンティーノ監督の最新作『La Grazia(原題)』で、安楽死法案に署名するかどうか悩むイタリア大統領を描いている。
27日夜の開会式では、70本以上の作品を手掛けたドイツ人監督ヴェルナー・ヘルツォーク氏に、フランシス・フォード・コッポラ監督から生涯功労賞が授与された。受賞に当たりヘルツォーク氏は、自身の映画では常に「崇高」を追い求めてきたと語った。28日には最新のドキュメンタリー作品『Ghost Elephants(原題)』が上映される予定。
映画祭開催期間中は、ジュリア・ロバーツやジョージ・クルーニーといった世界的スターに加え、キャスリン・ビグロー氏やジム・ジャームッシュなどの著名監督も登場する。
一方、今年の映画祭初日は、パレスチナ自治区ガザ地区での武力衝突に対する批判が大きくフォーカスされた。会場付近では「フリーパレスチナ」のバナーが掲げられ、映画祭関係者に対し、イスラエルによるガザ侵攻と包囲を明確に非難するよう求める声が上がった。
地元の政治・人権団体多数は、イスラエルとガザでの戦争を非難するため、30日に市内で抗議デモを行うよう呼びかけている。
これに対し、同映画祭でディレクターを務めるアルベルト・バルベーラ氏は「ガザとパレスチナで起きていることに対しては、すでに深い悲しみと苦しみを表明している」としたが、イスラエルを支持する俳優の招待を取り消すことはないと記者団に述べた。
約2年にわたるイスラエルによるガザ爆撃は、今年5月の仏カンヌ映画祭でも話題となり、ハリウッドスターを含む350人以上の映画関係者が公開書簡で「ジェノサイド(集団殺害)」を非難した。
今回の映画祭では、カウテール・ベン・ハニア監督の『The Voice of Hind Rajab』がコンペティション部門の作品として選出された。同作は、昨年イスラエル軍によって命を奪われた6歳のパレスチナ人の少女、ヒンド・ラジャブちゃんを描いている。(c)AFP