ガザの子ども「泣く力も失う」 国連でNGOが飢餓の惨状訴え
このニュースをシェア
【8月28日 AFP】子どもの権利保護を訴える国際非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」の事務局長は27日、国連の会合で、パレスチナ自治区ガザ地区で飢餓に直面する子どもたちの苦痛を詳細に説明し、衰弱が進んだ子どもたちは泣くことすらできないと訴えた。
セーブ・ザ・チルドレンのインゲル・アッシン事務局長は、ガザでの紛争をめぐる国連安全保障理事会の会合で、ガザで飢饉が起きているとした国連の宣言について、状況を伝えるための単なる「技術的な用語」ではないと指摘した。
「食料が不足すると、子どもたちは急性栄養失調に陥り、その後、ゆっくりと痛みを伴いながら死んでいく。飢餓とは端的に言えばこういうことだ」とアッシン氏は述べた。
同氏はさらに、数週間にわたる飢えで子どもが死亡する過程を説明。体はまず脂肪を消費し、それがなくなると今度は筋肉や重要な臓器を文字通り消費することになると語った。
「しかし、私たちの診療施設はほとんど静まり返っている。今、子どもたちには話す力も、苦痛で叫ぶ力もない。痩せ細り、衰弱して横たわっている」と現地の様子を伝えた。
同氏はまた、イスラム組織ハマスによる2023年10月の越境攻撃で始まり、約2年にわたって続く紛争の中で、イスラエルがガザへの食料や生活必需品の搬入を妨げてきたと指摘。セーブ・ザ・チルドレンは飢餓の到来を繰り返し警告してきたとした上で、「この部屋にいる全員が、この残虐行為を止めるために行動する法的かつ道義的責任を負っている」と強調した。
国連は22か月以上続く戦闘の中で、イスラエルが援助を体系的に妨害してきたとして、ガザでの飢饉を公式に宣言した。
国連が支援する食料安全保障の指標「統合食料安全保障段階分類(IPC)」は、ガザ市とその周辺を含む北部地域では約50万人が飢饉の影響を受けているとし、9月末までにガザ地区の約3分の2に拡大すると予測している。
イスラエルはこの報告について「捏造されたもの」として撤回を要求している。
同日の安保理会合後、米国を除く14か国が共同声明を発表し、飢饉宣言に対する「深い懸念と苦痛」を表明。IPCの活動と手法を支持・信頼していると述べた。(c)AFP