【8月24日 AFP】イスラエル野党「国家団結党」を率いるベニー・ガンツ元国防相は23日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、パレスチナ自治区ガザ地区で拘束されている人質の解放を視野に、野党のメンバーと共に統一政府を結成するよう呼びかけた。ネタニヤフ現政権は、ガザでの戦闘終結やイスラム組織ハマスとの合意に反対する極右勢力の支持に依存している。

ネタニヤフ氏のライバルであり、開戦当初には政権に参加していたガンツ氏は、人質解放の合意を目指す一時的な連立を提案した。これは極右勢力を政権から排除することにもつながる。

「私は声を持たない人質たちのためにここにいる。私は叫ぶ兵士たちのためにここにいるが、現政権は誰も彼らの声を聞いていない」とガンツ氏はテレビ会見で述べた。

さらに「わが国の義務はまず第一に、ユダヤ人とすべての市民の命を救うことだ」と強調し、野党「イェシュアティド」率いるヤイル・ラピド前首相や、同じく野党「わが家イスラエル」率いるアビグドール・リーベルマン前財務相にも検討を呼びかけた。

ラピド氏とリーベルマン氏はこれまで、ネタニヤフ氏が主導する政権への参加を拒否している。

ネタニヤフ氏の連立政権は、ユダヤ教神学校の学生を軍に徴兵する法案をめぐって超正統派政党の支持を失い、夏季休会明けには崩壊の危機に直面するとみられている。

ガンツ氏の呼びかけに対し、政権から排除される可能性のある極右のイタマル・ベングビール国家治安相は即座に反発した。

「右派の有権者は右派の政策を選んだのであって、ガンツの政策でも中道政権でもハマスとの降伏合意でもない。求めているのは絶対的な勝利だ」と述べた。

イスラエル国内では、政府にガザでの戦争終結を求める圧力が強まっており、人質解放を求める大規模な抗議行動が続いている。(c)AFP