【9月10日 People’s Daily】赤いガントリークレーンのフックが上下に舞うように動き、コンテナ搬送用無人走行車「スマートコンテナトラック」が往来し、万トン級の巨大船が出港を待っている。東海の沿岸、浙江省(Zhejiang)寧波舟山港は活気に満ちている。

2024年、寧波舟山港の年間貨物取扱量は13億7700万トンに達し、前年比4%増加し、16年連続で世界首位を維持した。また、コンテナ取扱量は3930万TEU(20フィート標準コンテナ換算)と前年比11%増加し、世界第3位の座を堅守した。

5月18日、義烏西駅では門型クレーンが上下に動き、コンテナがまるでブロックのように次々と列車に積み込まれていた。7時間後、汽笛と共に、太陽光発電製品100コンテナ(TEU)を満載した貨物列車が、寧波舟山港鉄路北侖港駅にゆっくりと入ってきた。「海路・鉄道複合輸送」により、義烏の商品が列車から貨物船へとスムーズに積み替えられる光景は、もはや日常となっている。

義烏税関監督第2科の周華偉(Zhou Huawei)科長は「義烏西駅からは1日平均3本の列車が出発し、1列車当たり100TEUのコンテナを輸送する。輸出貨物の情報はリアルタイムで寧波舟山港に伝達され、企業は手続きを並行して処理できるため、従来の海上輸送に比べて最低1日は短縮でき、輸送コストも約20%削減できる」と説明する。

寧波舟山港の「海路・鉄道複合輸送」のコンテナ取扱量は、24年には180万TEUと、前年比10%増加し、過去最高を記録した。定期列車は27路線に拡大し、16省の67の地方級都市をカバーするネットワークが構築されている。

パソコンを開き、システムをクリックすると、「海路・鉄道複合輸送」貨物の国内輸送状況が一目瞭然だ。舟山港現地と日本の物流会社との合弁企業「寧波港鈴与物流」西南地区担当の盧凌傑(Lu Lingjie)さんは「この貨物は南米の顧客の納期が厳しいが、複合輸送なら約2週間で南米に届く」と話す。

「以前、重慶市(Chongqing)からの貨物は長江ルートでの輸送だったが、出港まで14~20日かかり、コストが高い上に、時間がかかるほど不確定要素も増した。しかし現在では、重慶~寧波間の『渝甬海陸複合輸送プレミアム急行便』を利用すれば、わずか3日で出港準備完了となる。輸送コストは約50%削減され、経費と時間の節約で、製品の競争力が大幅に向上した」、盧さんは複合輸送の効果を感慨深かげにこう語った。

寧波舟山港・梅山港区は岸壁の全長3950メートル、陸上区域面積320万平方メートルを誇り、舟山港で最も長い岸壁と大型設備を最も多く備えるコンテナ専用港区だ。見渡す限り、国産ブランドの新エネ車が整然と並び、出港を待っている。

現場では作業員が「積み込みの特技」を披露する。専用スタンドと立体積み上げ技術により、従来は2台しか積めなかった40フィートコンテナに、最大5台も搭載できるようになった。

近年、国産新エネ車の輸出が急増し、輸送能力が逼迫する中、多くの自動車メーカーから「1コンテナに2台しか積めず、コストが高く効率も悪い」との声が上がっていた。

これを受け、寧波海事局は専門機関と共同研究を行い、わずか2か月で安全性と実用性を兼ね備えた自動車専用スタンドシステムを開発した。

地元の大手物流企業「中信港通(Zhongxin Gangtong)国際物流」の張鵬(Zhang Peng)副総経理は「40フィートコンテナの場合、1箱あたり3500~5500元(約7万1995円~11万3135円)の輸送費が節約でき、国際市場における競争力がさらに高まった」と説明する。

この革新的な手法で、寧波舟山港から自動車が次々に輸出されている。今年の第1四半期、寧波港から輸出された新エネ車は5万3000台に達し、前年同期比641%を記録した。

浙江港聯捷物流科技の輸出部オフィスでは、電話が鳴りやまない。営業担当の余魏(Yu Wei)氏の話では、舟山港とドイツのウィルヘルムスハーフェン港を結ぶ定期便「中欧快航」の問い合わせが相次いでいるのだ。初航海の成功後、多くの顧客が長期チャーター契約を結び、この航路の注文量は着実に増加しているという。

今年1月24日に寧波舟山港を出港した嘉華寧波号は、中欧快航の初航海便として25日間の航海を経て無事にウィルヘルムスハーフェン港に到着した。 この船には中国製の新エネ車用のバッテリーなどが満載されていた。

報道によると「中欧快航」は従来方式に比べ輸送時間の10日以上の短縮が可能であり、陸路と鉄道ネットワークを通じてハンガリー、フランス、ベルギーなど欧州各地に迅速に配送できるという。「中欧快航」は4か月の運航を経て、中欧快航は中欧間の定期的な貨物輸送航路として定着した。

現在、舟山港は海上航路を縦横に結び、世界貿易の動脈を形成している。300を超えるコンテナ航路が200以上の国と地域の600余りの港を網羅し、1日平均で約300隻の貨物船が往来する。舟山港は中国国内取引と国際貿易の「双循環」を支える重要ハブとしての地位を確立している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews