外部からの衝撃の下で、中国経済はなぜ安定しているか
このニュースをシェア
【8月30日 People’s Daily】中国の4月の経済データが5月19日に発表されたが、多くの業界関係者が「予想を上回る」との感想を述べている。一部の外国メディアは「貿易摩擦の下で中国は経済減速を回避した」と高く評価した。
外部からの衝撃を受けても、なぜ中国経済はこれほど安定しているのか?
これについて、最近の2つの事例から考察してみる。
中国IT大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)はちょうど5月19日に新製品発表会を開催、鴻蒙コンピュータ(Harmony Computer)のオペレーティングシステムを搭載した「鴻蒙パソコン」を正式発表した。その翌日、中国のスマホ大手・小米科技(シャオミ、Xiaomi)グループが、自社開発設計の3ナノメートルプロセス技術を採用したスマートフォン用システムオンチップ(SoC)「玄戒O1」の量産開始を発表した。
いかなる形の抑圧や打撃も、中国の自主的なイノベーションと発展の歩みを乱すことはできない。
この自信と自立が、中国経済が4月に「予想を上回る」成績を示した要因だ。
4月初旬、記者は「世界の小物グッズの町」浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)を取材した。現地の商店はブランドの共同開発や品質向上に奔走していた。
義烏の商店は従来のOEM(受託生産)モデルから脱却し、「複数の商品を集めた「共同型店舗」を、義烏好貨」という統一ブランド名を使って、店舗パッケージ(企画、商品ラインナップ、表示、販促など)まで丸ごと海外に展開するという販売モデルを今年から開始した。
1月には、サウジアラビア・ジッダに初の「義烏好貨」店舗をオープンさせ、初日で1億2000万元(約24億6240万円)の注文を獲得、2月には欧州第1号店としてイタリア・ヴェネツィアにも出店した。
わずか数か月で、「義烏好貨」は190を超える義烏ブランドの商品の販売額を1億元(約20億5200万円)以上増加させ、協力国は11か国に拡大した。
このような多角化展開により、義烏は単独行動主義の挑戦にも動じていない。
多くの義烏の輸出企業は自主的にイノベーションを推し進め、サプライ産業チェーンを延長し、競争力を強化している。義烏で商売を営む1人の商店主の言葉「製品が良ければ、販売ルートが広ければ、変化を恐れる必要はない」が非常に象徴的だった。
まさに、個々の経営者が持つ内発的な力が、全体経済の持続的な好転を積み上げているのだ。
中国の4月の貨物輸出入総額は前年同月比5.6%増加し、そのうち輸出額は9.3%の増加となった。
輸出製品の内訳を見ると、比較的高い技術が要求される機械電気製品の市場競争力が強くなっている。この分野の4月の輸出額は、前年同月比9.5%の伸びを示した。
経営主体別で見ると、民間外貿企業が多角化市場戦略などにより外部からの衝撃に効果的に対応している。1~4月で民間企業の輸出入総額は前年同期比6.8%増加している。
当然ながら、1つの国の輸出入は孤立して存在するものではない。4月の輸出の急速な増加は、中国経済の質の高い発展がもたらした総合的な実力向上に裏打ちされている。
例えば、中国は超大規模な経済体であり、製造業の規模は15年連続で世界1位を維持し、消費市場の規模も世界トップクラスで、優れた成長性を有している。これらの要因が、様々なリスクや挑戦に対応する中国の強い能力を決定付けている。
また、中国は経済の構造調整と新旧成長動力の転換を堅実に推し進め、地域の実情に合った新たな生産力の発展を促し、新しい発展パターンの構築を加速し「国内大循環」を強化し、発展の主導権を確実に握ることで、外部環境の急激な変化に対応するための重要な保障としている。
預金準備率の引き下げ、金利の引き下げ、内外貿易の一体化を加速、サービス業の開放政策の強化など、新たな「経済増量政策」が着実に実施されれば、中国経済はあらゆるリスクや挑戦に対応する条件と能力と自信とを十分に備えていることが見えてくる。
逆境下での中国経済の優れたパフォーマンスは、その経済の真の力を示し、期待される成長目標の達成への自信と決意を強めている。
最近、国際機関は相次いで中国経済の見通しを上方修正している。多くの多国籍企業経営者は、中国が「確実性」の代名詞となったと指摘している。
中国経済は常に風浪のうねりの中で成長し、試練の中で強靭になってきた。今後とも、国際環境は不安定で不確実な要因が依然数多く存在するだろうが、中国の「実践」によってすでに証明し、また今後も証明し続けるであろう。
中国経済の回復には確固たる基盤がある。政策には保障があり、消費には潜在力があり、イノベーションには原動力がある。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews