【8月22日 CNS】栄光の瞬間は誰にでもあるが、その一瞬を永遠と錯覚してはいけない。都市間競争は、前進しなければ後退するのみだ。

中部地域では、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)が絶対的な実力で長年「中部第一の都市」の座を守ってきた。一方、湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)と河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)は2000年以降、「第2の都市」を巡って互いに追い抜き追い越される攻防を繰り返してきた。

2024年上半期、鄭州のGDPは7252.4億元(約14兆9638億円)、長沙は7170.21億元(約14兆7942億円)で、鄭州がわずか82.19億元(約1695億8262万円)の差で上回った。しかし下半期に長沙が巻き返し、年間では鄭州を700億元(約1兆4443億円)以上上回り2位を奪還した。

2025年上半期には、鄭州と長沙ともに堅調な成長を見せ、それぞれ7329.3億元(約15兆1225億円)、7640.38億元(約15兆7643億円)を記録。長沙が引き続きリードし、鄭州は半期報告での逆転を果たせなかった。

現在、中国は新たな経済サイクルの入り口に立ち、産業構造の転換や国際情勢の変化などが都市経済に大きく影響している。

中部第2位を巡る戦いは、長沙がこのまま走り続けるのか、それとも鄭州が再び追い抜くのか注目される。現時点では、長沙が鄭州に対し311.08億元(約6418億5136万円)のリードを保っている。

長期的に見ると、両都市の攻防は一進一退を続けてきた。

1978年から2008年までの30年間は、一部の年を除き、鄭州が経済規模で長沙を上回っていた。2009年以降は長沙の時代が始まったが、その差は大きくなかった。2018年には長沙が860億元(約1兆7744億円)の差で鄭州を上回ったが、翌2019年には鄭州が15.48億元(約319億3988万円)の僅差で逆転。しかし2020年には再び長沙が奪い返した。

その後も、半年ごと、あるいは四半期ごとに順位が入れ替わる展開が続いた。

両都市はともに中部地域の重要な工業都市であり交通の要衝だが、産業構造には違いがある。

2025年上半期では、工業が両都市の経済を支える柱となった。長沙の規模以上工業付加価値は前年同期比8.2%増、鄭州は8.5%増と拮抗している。

ただし成長を牽引する分野は異なる。長沙は建設機械や先進蓄電材料といった伝統的な柱産業が強く、鄭州は電子情報や自動車製造で優位を築く。

例えば長沙は、建設機械の産出額が10年以上連続で全国首位。中聯重科(Zoomlion)、三一重工(SANY)、山河智能(Sunward)などが集まり、全国の70%の建設機械製品が長沙で生産され、総産出額は全国の30%を占める。

一方、鄭州は2025年上半期、自動車製造業が前年比25%増、電子情報工業が11.8%増を記録。スマートフォンや計算端末を中心に、スマートセンサーやネットワークセキュリティ分野へも波及し、2024年の関連産業規模は7000億元(約14兆4431円)に達し、市全体の規模以上工業付加価値の32.9%を占めた。

輸出入では鄭州が大きく上回る。2025年上半期、鄭州の輸出入総額は2746.8億元(約5兆6674置く円)で前年同期比38.7%増。長沙は1367.6億元(約2兆8217億円)にとどまり、規模は鄭州の半分ほどだ。

新たな成長分野の育成は、経済規模の拡大と中部第2位の座に直結する。

長沙は先進蓄電材料に注力し、中偉新能源(CNGR)、湖南長遠鋰科、徳賽電池など多くの企業を集め、国内でも最も産業チェーンが整った集積地の一つとなっている。

鄭州は比亜迪汽車(BYD)などの新エネルギー車産業に賭け、スマートフォン関連以外の第2の成長エンジンを築こうとしている。2024年には新エネルギー車が62.6万台生産され、市全体の自動車年間生産台数は初めて100万台を突破した。

異なる戦略的布陣は両都市の産業のDNAを変えつつあり、その変化は新産業の比率だけでなく、技術の自立性や産業チェーンの掌握力、変動への耐性にも表れている。

中部第2位を巡る争いは、実質的には産業転換の深さとリスク耐性の競争だ。

新たな産業サイクルが始まる今、両都市の戦いはGDPの単純な比較を超え、いかに既存の枠にとらわれず新たな道を切り開くかが、本当の「先頭走者」を決める鍵となっている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News