【9月17日 東方新報】近年、中国のサービス業は国民経済成長への寄与度が50%を超えており、インターネットを通じて注文すれば極めて短い時間で商品が配送される「即時小売」を代表とする新業態がサービス需要の潜在力を引き出している。北京市で開かれた「消費喚起・革新推進・活力創出――飲食業とサービス業の新たな突破口」シンポジウムでは、専門家らが「即時小売の時代、飲食業は『すぐに食べたい』という新しい消費ニーズを的確に捉えることで成長の余地を広げている」と指摘した。

2024年の中国における飲食業売上は、社会消費品小売総額の11%を超えた。国務院発展研究センターの陳麗芬(Chen Lifen)氏は「1人当たりGDPが1万ドル(約147万7600円)を突破した今、飲食業は量の拡大から質と効率の向上へと転換期を迎えている」と述べる。

陳氏によると、食のニーズは「満腹志向」から「おいしく、健康に」へと変化している一方で、飲食業は参入障壁が低く、店舗の開閉が激しいため競争は厳しい。2020~2023年の平均成長率は4%にまで落ち込み、2024年にやや回復したが、市場の伸び鈍化とコスト上昇が業界に質の向上を迫っているという。

この課題を打開する鍵として、デジタル技術の活用が挙げられた。AIやインターネットを駆使した管理システムでコスト削減と効率化を図り、市場範囲を広げる取り組みが進む。

商務部国際貿易経済合作研究院の李嶧(Li Yi)氏は「即時小売は単なる販売チャネルの変化ではなく、『すぐに食べたい』という新しい消費機会を正確に捉えられることが本質的価値だ」と指摘。デジタル管理を通じたサプライチェーンの最適化や厨房管理の高度化により、食品ロスを減らし、消費者の嗜好を把握して小分けメニューや健康志向メニューの開発を後押しする。さらに即時配送により、店舗の商圏は従来の1.5キロ圏から3~5キロ圏へと広がるという。

中国人民大学(Renmin University of China)の孫文凱(Sun Wenkai)氏は、即時小売の成長を支える要因として、利便性を重視する高学歴層の需要、コールドチェーンなど供給側の技術革新、デジタル化推進を後押しする政策――の3点を挙げた。

即時小売は雇用創出にもつながる。店舗の仕分け担当や倉庫拠点の管理員、品質検査員など新しい職種が生まれ、全国に約3万ある倉庫拠点で50万人の雇用を直接生み出している。中小都市や農村経済の活性化にも寄与し、地方の零細事業者にも新たな生存空間を提供している。

陳氏は「外食産業は、デジタル化とプラットフォームの力を活用して店舗の物理的な制約を突破し、店内飲食とオンライン販売の利益を掛け合わせることで、質の向上と効率化の中核的な原動力を得られる」と強調した。(c)東方新報/AFPBB News