ランナーが走るのは早朝のショッピングモール、気温50度に迫るドバイ
このニュースをシェア
【8月17日 AFP】早朝に外気が急上昇する中、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある広大なショッピングセンターでは、数百人が「モーラソン(Mallathon)」という屋内でエアコンが完備されたレースに参加し、スニーカーの音を響き渡らせた。
政府が支援するこの取り組みは、UAEで最も暑い月とされる8月の運動を推奨し、朝早くに普段はすいているドバイの巨大ショッピングモールを活用することを目的としている。
夏は気温が50度を超えることもあり、世界で最も暑い地域に挙げられる湾岸地域では、屋外でのランニングは多くの人にとって不快であり、危険である。
プラチナブロンドの髪をヘッドバンドで後ろに束ねているランナーのライさんは、「屋外で走るのは全く健康的ではありません。気温が40度から50度くらいですから」と語る。
「ドバイ・モーラソン」のTシャツとスポーツウエアに身を包んだ参加者たちは、数時間後には買い物客で賑(にぎ)わうことになる大理石の通路に沿って、閉店中の店舗の前を走ったり、歩いたりした。
8月の一か月間、世界最大級のドバイ・モールを含む市内九つのショッピングセンターは、午前7時から午前10時まで、ランナーとウォーカーのために毎日開放されている。週末には、指定されたモールで10キロ、5キロ、2.5キロのレースが開催され、表彰式や賞品も用意されている。
活動的な生活の模範として公にイメージがあるドバイ首長国のハムダン皇太子の支援を受けている「モーラソン」は、車好きでショッピングモールに入り浸っている人々に運動を促す数ある試みの一つで、これには住民に1か月間1日30分の運動を続けることを推奨する「30×30チャレンジ」も含まれている。
エネルギー資源が豊富な湾岸諸国は、肥満率が世界的にも高い水準にある。3月に医学雑誌「ランセット」で発表された研究によると、2050年までにUAE男性の94%が過体重、または肥満になると予測されており、これは世界で最も高い割合となっている。
その一因には数か月間この地域を襲う灼熱(しゃくねつ)の暑さが挙げられ、これがますます激化している。今年、UAEは記録的な4月の暑さを経験し、5月には最高気温を2日連続で更新した。8月1日には気温が51.8度に達し、国内記録の52度に迫った。
15年間ドバイに住むエジプト人女性メンナさん(36)は、夏に外で運動することは「無理です」と語った。しかしショッピングモール内では、「エアコンがあり、応急処置も水もあって、必要なものはすべてそろっています」と話す。また、「他の人たちもやっていると、もっとやる気が出ます」と付け加えた。
ドバイスポーツ評議会の社会活動部門の責任者によると、9日に行われたイベントには500人が無料で参加登録したという。
子どもや男性、女性、そして少なくとも1人いた障害のあるランナーら参加者たちは、ゴール後にはメダルや景品の入ったバッグを受け取っていた。
スリランカから来た観光客のザマニさん(46)も、幼い子どもたちとレースに参加した。「この活力を気に入っています。みんなやる気満々で」「とても実験的で、粋ですね」(c)AFP