【8月17日 AFP】パキスタンの国家災害管理局は16日、同国北部を襲った猛烈なモンスーン(雨季)によって引き起こされた地滑りと鉄砲水による死者が、ここ48時間で少なくとも344人に上ったと発表した。

当局によると、山岳地帯のカイバル・パクトゥンクワ州で324人の死者が記録されており、大半は鉄砲水や家屋の倒壊の犠牲になった。負傷者は少なくとも137人となっている。

国家災害管理局によると、カシミール地方のパキスタン側支配地域でさらに11人、同国北部ギルギット・バルチスタン地域では9人が亡くなっている。これに加え15日には、救援任務に就いていた地元政府のヘリコプターが墜落し、搭乗員5人が亡くなった。

カイバル・パクトゥンクワ州の救急当局はAFPの取材に対し、約2000人の隊員が9地区で救援活動を行い、がれきの中から遺体の収容をしているものの、雨が作業を妨げているとい述べた。

救急当局の広報担当は「豪雨やいくつかの地域での土砂崩れ、道路の流失が、特に重機や救急車の輸送の面で、援助の大きな課題となっている」と話した。道路の寸断により、救急隊員は遠隔地の災害現場まで徒歩移動を余儀なくされている。

ブネール地区の当局者は、救助隊が遠くの被災地に到達するための新たな方法を見つけることを余儀なくされていると述べ、「さらに多くの人ががれきの下に閉じ込められている可能性があり、地元住民の手作業では対応ができない」と話している。(c)AFP