【8月13日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦拡大をめぐりイスラエルで政府と軍の緊張が高まる中、イスラエル・カッツ国防相は12日、自身の承認なしに軍のエヤル・ザミール参謀総長(中将)が人事を行ったとして叱責した。

国防省は声明で、サミール参謀総長が行った軍人事に関する審議は、カッツ国防相との「事前の調整や合意なしに行われた」と指摘。

これは「慣例に反する手続き」であり、カッツ国防相は「発表された人事を承認したりするつもりはない」と付け加えた。

その後まもなく発表された軍の声明で、ザミール参謀総長は「大佐以上の階級の将校の指名は参謀総長の専権事項だ」と反論。

「参謀総長が指名し、その後、国防相に承認を求める」と付け加えた。

ガザにおける人質解放とイスラム組織ハマスの打倒を目指す軍事作戦の次の段階をめぐり、ザミール参謀総長とベンヤミン・ネタニヤフ政権との間で2週間にわたり緊張が高まっている。

イスラエルメディアによると、ザミール参謀総長は、治安内閣が8日に閣議承認した、人口密集地ガザ市全域の制圧計画に反対。ガザ市の制圧ではなく、包囲を支持しているという。

イスラエル軍は、1年10か月に及ぶ紛争で荒廃したガザ地区の約75%を支配している。

前任者の解任を受け、3月に任命されたザミール参謀総長は先週、「恐れることなく、現実的、独立的、かつ専門家らしい方法で」軍の立場を表明し続けると述べた。

一方、カッツ国防相は、参謀総長は「見解を表明」することはできるが、軍はガザに関する政府の決定を最終的に「実行」しなければならないと述べた。(c)AFP