世界スマホ市場、第2四半期売上初の1000億ドル超
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【9月13日 東方新報】世界のスマートフォン市場は「熱と冷」が同居している。第2四半期の売上高は初めて1000億ドル(約14兆7229億円)を突破し過去最高を更新した一方、出荷台数は大きく伸びていない。高級志向の流れの中で、どのような新しい動きが見られるのか。
市場調査機関カウンターポイント(Counterpoint Technology Market Research)によると、2025年第2四半期の世界スマートフォン売上高は前年同期比10%増となり、史上初めて1000億ドルの大台に達した。これは第2四半期としても過去最高の記録となる。
一方で、出荷台数の増加はわずか3%にとどまった。同期間の平均販売価格も前年同期比7%上昇し、約350ドル(約5万1530円)と第2四半期として過去最高を記録した。
カウンターポイントの上級アナリストは「各地でマクロ経済の逆風がある中でも、第2四半期は台数・売上ともに成長した。資金調達手段の多様化、下取り制度の充実、大型販促の実施により、高価格帯モデルへの移行が想定以上に進んだ」と指摘する。
独立系調査会社Canalysの主任アナリストも、一部市場では高級機の需要が高まり、「先に買って後から払う(BNPL)」方式の普及や販促期の成功、さらに下半期の新製品ラッシュを見据えたメーカーと小売業者の積極的な販売促進が追い風になっていると分析する。
Canalysの報告では、2025年第2四半期の世界スマートフォン出荷台数は2億8890万台とわずかに減少。全体的な需要は穏やかだが、メーカーの多くは特定地域での好調によって他地域の低迷を補っている。
中国市場では、工業情報化部のデータによると携帯電話契約数が緩やかに増加し、5G契約は急成長。6月末時点で三大通信事業者と中国広電(China Broadcast Network)を合わせた契約数は18億1000万件で、前年末から1993万件増加。このうち5G契約は11億1800万件で、前年末から1億400万件増えた。
Canalysによれば、第2四半期の中国市場では華為技術(ファーウェイ、Huawei)が1220万台を出荷し18%のシェアで首位を奪還。2位はVivo(17%)、3位はオッポ(OPPO)とオッポ傘下のスマートフォンメーカー「ワンプラス(OnePlus)」を合わせたグループ(1070万台、16%)。小米科技(シャオミ、Xiaomi)は8四半期連続で前年同期比成長を達成し4位、アップル(Apple)は1010万台で5位となった。
今後についてカウンターポイントは、高級化の流れが続き、2025年通年の売上高伸び率は出荷台数の伸びを上回ると予測。生成AI(GenAI)搭載スマホや折りたたみ式モデルの人気上昇が、市場拡大の大きな原動力になると見ている。
Canalysは、多くのメーカーが第3四半期の新製品集中投入に照準を合わせ、AIや折りたたみ、軽量薄型デザインなどに注力し、年末商戦に向けて需要喚起を狙っていると分析している。(c)東方新報/AFPBB News