【8月18日 CNS】今年上半期、中国で対外貿易の伸び率が最も高かったのは青海省(Qinghai)だった。上半期の輸出入総額は35億9000万元(約737億3285万円)で、前年同期比57.7%増となり、6か月連続で全国首位の伸び率を記録した。中でも輸出は112.1%増と大きく伸び、輸出入の双方で全国トップの増加率となった。

この成果の背景には、高原ならではの特色を生かし、開放ルートを広げ、市場の活力を引き出すという青海独自の発展戦略がある。チベット高原に位置する青海は、冷涼な気候に育まれたグリーン農産物、広大なゴビ砂漠の下に眠るクリーンエネルギーや塩湖資源など、豊富な産業資源を持つ。青海はこの自然の恵みを無駄にせず、高原ならではの強みを対外貿易拡大の原動力としている。

農業分野では、「青」ブランドの農産物が世界に進出している。上半期、青海の特色農産物は45の国・地域に輸出され、輸出額は3億4000万元(約69億8305万円)と前年同期比56%増で、伸び率は全国首位となった。特に、冷涼地野菜は約2倍に拡大し、冷水魚の一種である冷凍マスなどの製品は初めて日本に輸出され、数量・金額ともに全国トップとなった。農業の「ダブル冷」産業は、青海の新たな輸出エンジンとなっている。

工業分野でも、青海はグリーン産業の波に乗っている。上半期の新エネルギー製品輸出額は18億元(約369億6912万円)で、前年同期比5.6倍に急増し、対外貿易の中心的な成長源となった。中でも、リチウムイオン電池は14億4000万元(約295億7529万円)で32倍、塩湖化学製品は5億1000万元(約104億7458万円)で2.5倍に増え、青海を代表する輸出品に成長した。

地域間の連携も成長を後押ししている。青海の8市州すべてが輸出入業務を展開し、段階的に広がる開放構造を形成した。西寧市(Xining)は太陽光シリコンやリチウム電池などの産業で省全体の79.6%を占める輸出入を担い、牽引役となった。海東市(Haidong)はジャガイモや菜種の自主輸出を実現し、高原の食糧庫を世界に送り出した。海西モンゴル族チベット族自治州(Haixi Mongol and Tibetan autonomous prefecture)は塩湖精密化学に注力し、輸出入は前年比1.5倍に増加。海西モンゴル族チベット族自治州は冷水魚や甘草の深加工で輸出入が1.4倍に拡大した。各地が特色を生かして連携し、青海の対外貿易基盤は一段と強化されている。

特色が内なる力だとすれば、開放は国際市場とつながるカギだ。内陸高原の青海が特色資源を世界に届けるには、海外とつながるルート整備が不可欠だった。近年、青海は「グリーン・シルクロード」構想を掲げ、西部陸海新通道の整備を進め、海西モンゴル族チベット族自治州ゴルムド市(Golmud)にあるゴルムド陸港型国家物流ハブの基盤強化・拡張プロジェクトを実施。ゴルムドや吉隆口岸(国境通関地)を経由してネパールへ至る貿易ルートの能力を高め、国際貨物列車の本数と質の向上を実現した。

上半期、青海は91の国・地域と貿易を行い、そのうち「一帯一路(Belt and Road)」沿線67か国との輸出入額は29億6000万元(約607億9366万円)で、前年比78.7%増、青海の対外貿易全体の82.5%を占めた。

政策支援も開放の歩みを安定させている。青海省は外貿支援政策を見直し、企業の越境取引や資金調達の課題解決を後押し。主要国際展示会リストを公表し、企業の海外市場開拓を柔軟に支援。外貿総合サービスプラットフォームの機能を高め、中小企業の輸出入参入を促している。こうした施策により、市場主体の活力が大きく引き出された。上半期、民営企業166社が青海の対外貿易総額の87%を担い、輸出入は前年比89.3%増で、伸び率は全国首位となった。

冷凍マスが日本の食卓に並び、リチウム電池が国際市場を照らし、キヌアの種が欧州で芽吹く。青海は実践で示した。内陸省でも、特色を生かせば世界とつながり、開放を通じて世界を迎え入れ、対外貿易の高原奇跡を描くことができる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News