ドイツ、イスラエルへの武器輸出停止 ネタニヤフ氏は猛反発
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【8月9日 AFP】ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は8日、パレスチナ自治区ガザ地区で使用される恐れのある軍事装備品のイスラエルへの輸出を停止すると発表した。これに対しイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は猛反発している。
ドイツの措置は、イスラエルがガザ地区の中心都市ガザ市の制圧計画を決定したのを受けたもの。長年イスラエルの最も忠実な同盟国の一つだったドイツにとって、劇的な方針転換を意味する。
メルツ氏は、ガザ地区の民間人の苦しみに「深い懸念」を表明し、イスラエルによるガザ市制圧計画が、イスラム組織ハマスの武装解除と残るイスラエル人人質の解放という目標達成にどのように役立つのか、「ますます不透明になっている」と指摘。
「このような状況下では、ドイツ政府は当面の間、ガザ地区で使用される恐れのある軍事装備品の輸出を一切承認しない」と続けた。
イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏は8日遅く、メルツ氏の決定に「失望」を表明。
「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)以降で、最も恐ろしいユダヤ人への攻撃を行ったハマスに対するイスラエルの正当な戦争を支持する代わりに、ドイツはイスラエルへの武器輸出を禁止することでハマスのテロリズムに加担している」と述べた。
ドイツのユダヤ人団体、ユダヤ人中央評議会もメルツ氏の決定に「失望」したとして、政府は「進路を正し」、代わりにハマスへの圧力を強めるべきだと述べた。
両国の緊密な関係を促進するドイツ・イスラエル協会もメルツ氏の行動を非難し、ドイツがイスラエルから対空防衛システム「アロー3」を購入する取引を言及。「イスラエルがドイツへの武器供与で報復した場合、ドイツ防空の将来は暗いものになる」と述べた。(c)AFP