エジプト大統領、イスラエルを非難 ガザで「組織的なジェノサイド」
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【8月6日 AFP】エジプトのアブデルファタハ・シシ大統領は5日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で「飢餓とジェノサイド(集団殺害)の戦争」を推し進めていると非難した。
シシ氏はカイロで行ったベトナム国家主席との共同会見で、「ガザでの戦争はもはや、単なる政治目的の達成や人質解放のための戦争ではない」と述べた。
イスラエルは2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる越境攻撃を受けてガザ攻撃を開始。ハマスを壊滅させ、人質を解放すると表明している。
シシ氏は「この戦争はとっくの昔にいかなる論理や正当性も超え、飢餓とジェノサイドの戦争となっている」「パレスチナの大義を根絶するための組織的なジェノサイドが行われている」と述べた。
さらに、エジプトがガザ包囲に加担したとの主張について、論理的に破綻しており、エジプトがガザとの境界にあるラファ検問所を閉鎖したことは一度もないと改めて強調した。
ラファ検問所は紛争開始当初、支援物資の重要な搬入口となっていたが、2024年5月にイスラエル軍がパレスチナ側を制圧し、閉鎖を余儀なくされた。
シシ氏は、「ラファ検問所のパレスチナ側にイスラエル軍が駐留していなければ、支援物資を搬入することができた」と主張し、トラック5000台がガザ入りを待っていると付け加えた。
エジプトは、同国にガザ避難民に移住させるという米国の計画については繰り返し拒否しており、停戦交渉がたびたび決裂する中で頓挫したガザの再建計画を呼び掛けている。
シシ氏は、「エジプトは常に援助の窓口であり続けるが、パレスチナ人の移住先ではない」「われわれはいつでも援助の受け入れる用意はあるが、パレスチナ避難民の移住を受け入れる用意はない」と述べた。(c)AFP