中国で「明日の世界」を見る
このニュースをシェア
【8月17日 People’s Daily】上海市を訪問するとしたら、上海ディズニーランド(Shanghai Disney Land)と華為技術(ファーウェイ、Huawei)の「練秋湖研究開発センター」のどちらを選ぶか?
米紙「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」のコラムニスト、トーマス・フリードマン(Thomas L. Friedman)は最近、このような「悩ましい選択」に直面した。彼はこの2つの場所を共に「明日の世界」に例えたが、華為の研究開発センターの方は現実の「明日の世界」だ。それゆえ、彼は「練秋湖研究開発センター」の方を訪問した。
この研究開発センターは、なぜフリードマン氏をそれほど惹きつけたのか?
このセンターは長江デルタ生態緑色一体化発展モデル区の先行スタート区に位置し、総投資額は100億元(約2069億円)を超え、数万人の研究員を収容することができる。「この優れた環境は、中国内外の、最も優秀な科学技術人材を惹きつけるために作られたものだ」、フリードマン氏はこういう見方をしている。
世界経済が数多くの不確実性の問題に直面する中で、このセンターの活力と創造性は、特に注目を集めている。
研究開発の重視と環境の整備は、華為だけの取り組みではない。近年、多くの企業が技術革新を通じて、ハイエンド化、スマート化、グリーン化への道をまい進している。
新エネルギー車の大手メーカー・比亜迪汽車(BYD)の昨年末までの累計研究開発投資は1800億元(約3兆7242億円)を超えている。
中国の昨年の社会全体の研究開発費用は3兆6000億元(約74兆4800億円)を超え、世界第2位を維持している。
科学技術競争が日々激化する今日、各業界が科学技術への投資を増やし、技術開発に力を入れることは、産業の構造転換と未来への投資に対する自信の表れだ。
中国の「世界の工場」から「グローバルイノベーションセンター」への転換の勢いが、世界的なイノベーション体系における中国の重要性を、人びとにいっそう強く印象付けている。「練秋湖研究開発センターは、米国が華為を扼殺しようとする試みへの華為の回答だと言える」というフリードマン氏の感慨も理解に難くはない。
主体的なイノベーション、新しい技術や知見の開放的な受け入れ、そして創造に挑む姿勢が重要だ。これからは先端技術のブレークスルーや産業の質的な高度化に、より多くの力を注ぎ、様々な優れた資源を吸収する力を強化していかなければならない。これは、自国の発展の潜在力と競争力を強化するだけでなく、全世界の資本や人材などの資源の吸引力をさらに高めることにもなる。
今や「自信」を語るは中国人だけではなく、外資企業もまた「自信」を求めている。
アメリカ商工会議所華南分会のハーレー・セイディン(Harley Seyedin)会長は「我々は中国における事業展開を強化し、世界最大で最も活気ある市場の一つ・中国で長期的な成長を実現する決意を固めた」と率直な見解を示した。
交渉から契約締結まで、わずか半年;工場着工から完成までわずか1年半、デンマークのビール大手カールスバーグ(Carlsberg)の佛山三水生産基地の建設速度は、商業版図の拡大で企業が先手を打つことを可能にした。安定した市場見通し、良好なビジネス環境、手厚い産業基盤は、中国企業や外資系企業に、資本の増強や生産拡大に踏み切る勇気を与え「自信」が絶えず膨らんでいる。
「市場は常にそこにある」、たとえ「高い壁で囲った小さな庭」のような保護主義に直面しても、問われるのは実力と意志の強さだ。圧力を原動力に変え、中国はより開かれた、より団結した、そしてより力強く前進する道を選んでいる。
浙江省(Zhujiang)義烏市(Yiwu)はそれを観察する良い「窓」だ。義烏の企業家と交流した人は、彼らがあまり怨み言を言わず、もっぱら事態を打開する方法を議論していることに気が付いた。一部の製造業者は大きな打撃を受けているが「解決するにはどうすべきか?」、ある輸出業者は「一部の義烏の企業が、これら困難に直面する企業のために自社の顧客ネットワークを開放している」と説明した。その多くは開発途上国向けだという。
「商業協力、生産連携、共同で打撃に対抗する」、これが共通認識となり、行動に移されている。最近、業界団体、主要なスーパーマーケット、ECプラットフォームが「共同で行動」し、内外貿易の一体化を推進していることもその一例だ。
産業に十分な粘り強さがあり、広大な国内市場があれば、業績回復の余地もまた大きい。
ディズニーランドにも、華為の研究開発センターにも、敷地内をつなぐ「小さな列車」が走っている。今日の「地球村」では、各国経済が「君がいてこその私、私がいてこその君」という相互関係で、すでに様々な「小さな列車」でつながり合っている。
中国は、世界の産業と供給のネットワークをつなぐ「接続器」であり、ビジネスの信頼を支える「安定器」でもある。
中国は、荒波の中にチャンスを見出し、風雨を乗り越えてなお成長を続ける、「次の中国もまた中国」なのである。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews