【8月7日 People’s Daily】毎年150億個を超えるライターを製造し、世界の生産量の70%を占め、120以上の国と地域に輸出している湖南省(Hunan)邵陽市(Shaoyang)は「ライターの故郷」として知られている。最近の外部環境の変化に対して、現地はどのような対策を立てているのだろうか?
  
湖南省の「湖南東億電気」の工場に入ると、6本の自動化生産ラインが同時に稼働し、機械アームが各種パーツを迅速に組み立てていた。毎日100万個を超えるライターが、この工場から世界中に発送されているという。

同社の白家宝(Bai Jiabao)副総経理は「わが社の注文は10月まで埋まっている」と自信をしめした。同社は輸出を主力とし、輸出比率は99%を超えている。昨年は輸出額が3億ドル(約440億5800万円)近くに達し、前年比5%増を記録した。そして今年第1四半期も同様の増加率を維持しているという。
  
世界的な不確実性の高まりの中、「卵を同じ篭(かご)には盛らない」ことが、邵東の輸出企業の対応策だ。

白氏は「わが社の顧客は100以上の国と地域におよび、注文が多様化しているため、市場リスクへの耐性が強い」と話す。特に近年、中東や東南アジアなどの新興市場のシェアが拡大しているという。

やはり地元のライターメーカー「邵東環興打火机(ライター)製造」の呂省華(Lu Shenghua)董事長は「どの国もグローバル化の波を止めることはできない。わが社は製品を80以上の国と地域に輸出しており、数百社の安定した取引先を持っている」と話す。

近年、邵東のライターメーカーは多角化市場の開拓に積極的に取り組み、顕著な成果を挙げ、堅調な成長を維持している。

「我々は先日開催された『広州交易会』に参加したが、今年は過去最多の取引相手を確保できた。我々は今後に向け大いに自信がある」、白氏はこう語った。
  
統計データによると、今年第1四半期に邵陽市では「一帯一路(Belt and Road)」協力国へのライター製品とそのパーツの輸出額が4億8000万元(約98億3520万円)に達し、前年同期比48.5%の増加となった。また後発発展途上国へのライター輸出額は6000万元(約12億2940万円)で、前年同期比13.3%増加した。

「邵東環興」の製品展示場では、8つのシリーズの200種類を超えるライター製品の展示に目を奪われる。呂董事長は「この最新型の点火銃(ピストル型ライター)は最近の売れ筋商品となっている」と紹介する。

呂氏の話によると、輸出製品はグローバル市場の需要の動向に迅速対応する必要があり、2023年に主要な輸出先市場で詳細な調査を行い、キャンプやアウトドア需要の増加で、アウトドア用の点火銃の需要が急増していることが判明したという。そこで同社は、即座に資金を投入し、人員を増強し、アウトドア用点火銃の開発に着手したという。

呂氏は「既存の顧客を厳選し、新製品を無償で送り、試してもらった。するとすぐに大量の新規注文が入ってきた」と説明した。

同社が参加したいくつかの大型国際見本市でも、この新製品のアウトドア用点火銃がバイヤーの注目を集めた。昨年はこの新製品のおかげで、点火銃型製品全体の売上額の伸びが二桁の大台に乗ったという。

呂氏は「常にイノベーションを原動力にして、良い製品を開発すれば、どこの市場でも受け入れてもらえる。中高級のライター製品の比率は年々増加している」と話す。

「東億電気」も研究開発に力を入れ、16年から毎年2000万元(約4億980万円)を投資し、4年で全製造工程の自動化を実現した。これによりコストが大幅に削減され、製品の品質安定性も向上した。白氏の話によると、以前は作業員が200人いた工場が、現在では40人で済むようになり、生産数量は9倍に増加したという。

邵東のライター業界が研究室段階から迅速に商業生産に移行できたのは、産業チェーン・サプライチェーンのサポートが不可欠だった。

現在、邵東には114社のライターメーカーがあり、そのうち80社以上は部品の供給や製造を補助する関連企業であり、独自の産業クラスターが形成されている。邵東では、200種類を超えるライターの部品が地元で調達でき、これらの製造業者は全て20キロメートル圏内に集中している。
  
複雑で厳しい国際情勢に対応するため、邵東の多くの輸出企業は「内外貿易一体化」を推進し、国内販売チャンネルを積極的に構築し、国内市場の販促チャンスを捉えている。

やはり地元のライターメーカー「湖南豪牌電気」の劉漢江(Liu Hanjiang)総経理は「わが社は国内市場を継続的に開拓しており、国内販売の割合は約7割に達している」と述べている。

同社は小売価格2元(約41円)から5元(約102円)の中間価格帯のライターを主力製品とし、毎年4~5つの新製品を発売しており、販売状況は良好だ。昨年はライターを1億個以上生産したという。

研究開発とイノベーションを強化し、多角化市場を深く掘り下げ、国内販売チャンネルを拡大することで「邵東のライター」は、グローバル産業チェーン・サプライチェーンにおいて新たな足場を築き、産業構造の早期転換とグレードアップを進め、質の高い発展を推進している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews