【8月5日 CNS】広州白雲国際空港(Guangzhou Baiyun Airport)の第3ターミナル(T3)が完成に向けて最終段階を迎え、10月末までに運用開始の見通しとなった。供用が始まれば年間旅客処理能力は1億2千万人に達し、1日あたり約33万人をさばく巨大交通ハブとなる。これにより、同空港は北京大興国際空港(大興空港、Beijing Daxing International Airport)や上海浦東国際空港(Shanghai Pudong International Airport)を上回り、世界最大の単一空港となる見込みだ。

現在、北京市や成都市(Chengdu)などでは都市のハブ機能を高めるため「二空港体制」の整備が進む一方、広州市(Guangzhou)は白雲空港を集中して拡張・高度化する戦略を取ってきた。背景には、広州を世界級の総合交通拠点に押し上げる狙いがある。

白雲空港はすでに国内有数の「巨大空港」だ。2024年の旅客数は7636万9千人で、前年から約21%増加し、開港以来の最高記録を更新した。過去には2019年に初めて7千万人を突破し、全国首位の座に4年連続で就いた経歴もある。2024年の国内旅客数ランキングでは、上海浦東空港の7678万7千人に次ぎ2位となったが、差はわずかだった。

この驚異的な処理能力を支えるのは、長年にわたるインフラ拡張だ。2004年に2本目の滑走路を整備して複数滑走路時代に入り、2015年には3本目が完成。2018年には第2ターミナルが稼働し、2023年にはT1・T2を接続して利便性を高めた。そして2025年にT3が加わることで、空港全体が新たなフェーズに入る。

白雲空港の強みは、単なる旅客数の多さにとどまらない。国際都市・広州の地の利を生かし、入出国者数は2025年1~3月期に400万人を突破し、前年同期比で25%近く増加した。空港を起点に、旅客・貨物・資金・情報・人材などの流れが高速で集まり、広州と珠江デルタ一帯の経済活動を下支えしている。

中国の輸出を牽引する珠江デルタは、全国の輸出入額の約2割を占め、世界で販売されるスマートフォンの3台に1台は広東省製造と言われる。強大な製造力を支えるためには、同様に強力な輸送インフラが欠かせない。白雲空港の貨物・郵便取扱量はこの30年で約12倍に拡大し、世界9位にまで浮上した。国際線貨物の比率は6割近くに達しており、T3の稼働で年間貨物能力は600万トン規模に拡大する。

広州市や深セン市(Shenzhen)でも将来的に第2空港の整備計画はあるものの、市街地から離れた場所に建設予定であるため、当面は白雲空港が都市の中枢空港としての役割を担うことになる。大湾区の都市群は高密度かつ一体化が進んでおり、広州市・仏山市(Foshan)の同都市圏化や深セン市・東莞市(Dongguan)・恵州市(Huizhou)の間で日常的に100万人規模の人流が発生している。この「1時間圏」の都市構造は、単一の巨大空港を中核とする運用に適している。

国家の都市計画でも、広州は「国際的総合交通ハブ都市」として位置付けられており、白雲空港のT3稼働はその実現に向けた重要な一歩となる。花びら型の新ターミナルと密な鉄道ネットワークが結びつくことで、広州は世界の主要交通拠点としての存在感をさらに高めていくことになりそうだ。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News