【8月3日 AFP】トランスジェンダーでノンバイナリーの陸上女子中距離選手ニッキ・ヒルツ(米国)は2日、ワールドアスレティックス(世界陸連)が女子選手に対して遺伝子検査を導入する計画を、「危険な先行き」と批判した。

出生時に女性とされたヒルツは、2021年にトランスジェンダーかつノンバイナリーであることを公表した。

米オレゴン州で行われた全米選手権の女子1500メートルで優勝を果たし、9月に行われる世界陸上東京大会の出場権を獲得したヒルツは、「性別検査は危険な先行き」「失望している」と述べた。

ヒルツは「もちろん、私はやるつもり。抗議のようなことをするつもりもない。ただ、そう決められる先例が気に入らない」と述べた。

世界陸連は、頰の内側粘膜の採取、あるいは血液検査で行われる検査は「非常に正確」なもので、「偽陰性または偽陽性のリスクは極めて低い」と述べている。

しかしヒルツは、他の競技連盟がより侵襲的な手法を使用する可能性について懸念を示し、「(競技の)トップがこういった規則を設定しているなら、NCAA(全米大学体育協会)やユース年代のプログラムにどう伝わっていくのか?」と述べた。

「性別検査は非常に侵襲的になり得る。これはただ無害な、頰の粘膜の採取のようなものだけれど、別の組織にとってはそうではないかもしれない。私はそれが怖い」(c)AFP