米支援のガザ配給拠点は「死の罠」、飢餓を戦争の武器に HRW
このニュースをシェア
【8月2日 AFP】国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は1日、米国とイスラエルの支援を受けてパレスチナ自治区ガザ地区で人道支援物資の配給を行う「ガザ人道財団(GHF)」の配給拠点外で活動するイスラエル軍が、食料を求める民間人を日常的に殺害し、飢餓を戦争の武器として利用していると非難した。
HRWの危機・紛争担当副ディレクター、ベルキス・ウィレ氏は、「米国の支援を受けるイスラエル軍と民間軍事会社は、欠陥のある軍事化された援助物資配給システムを構築し、援助物資の配給を定期的な血の惨劇に変えている」と述べた。
国連の委託を受けた専門家の報告書によると、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が1年10か月近く続く中、ガザは飢餓に陥り、民間人が餓死している。
GHFは、民間団体としてガザにある4か所の拠点で活動し、米国の民間軍事会社とイスラエル軍に護衛されている。
イスラエルが3月から2か月以上にわたってガザを封鎖したため、ガザでは食料などの秘術品が極度に不足した。
GHFは、封鎖を緩和した5月末に活動を開始し、長年続いてきた国連主導の支援体制を脇に追いやった。
それ以来、目撃者、民間防衛当局、そして現地のAFP特派員らは、必死に食料を求めてGHFの配給拠点に近づく絶望的な民間人に対し、イスラエル軍が発砲する事件が相次いでいると報告している。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、5月27日から7月31日の間に、少なくとも859人のパレスチナ人がGHFの配給拠点で支援物資を受け取ろうとした際に殺害された。そのほとんどはイスラエル軍のしわざだという。
ウィレ氏は声明で、「イスラエル軍はパレスチナの民間人を意図的に飢えさせているだけでなく、家族のために必死に食料を探している彼らを毎日のように射殺している」と述べた。
AFPはイスラエル軍にHRW報告書に関するコメントを求めたが、回答は得られなかった。
同軍は以前、非武装の民間人を標的にすることはなく、偶発的な死傷者の発生を避けるよう努めていると述べていた。(c)AFP