【9月3日 東方新報】国務院新聞弁公室は北京市で7月28日、「第14次五か年計画(十四五)の目標達成に向けた取り組み」に関する記者会見を開催した。国家税務総局の王道樹(Wang Daoshu)副局長は会見で、十四五期間中、税務当局は税法遵守の原則を徹底し、税制の立法整備を進めるとともに、法令遵守の促進、違法行為の摘発、そして執行の適正化を一体的に推進し、高品質な経済成長を支える公正な税務環境づくりに注力してきたと説明した。

まず、法令遵守の促進では、事業者への丁寧な周知・指導を行い、国家の税制政策を理解させる一方、違反事例を公表して警鐘を鳴らす取り組みを行った。全国の納税信用評価によると、2024年のA級納税者は375万戸を超え、2020年比で約100万戸増加した。A級納税者には29部門が連携して支援策を実施しており、金融当局や銀行との「銀税連携」によって中小企業向けの信用融資が推進され、十四五期間中に累計3621万件、総額11.3兆元(約223兆3393億円)が貸し出された。また、納税者が自ら不信行為を是正する取り組みも進められ、十四五期間中に3362件の重大税務違反企業が信用を回復し、11万5000件の「ブラックリスト」企業が適法条件を満たしてリストから外れた。

次に、違法行為の摘発では、公安・人民銀行・裁判所など8部門と連携した一体型の取り締まり体制を整備し、精度の高い摘発を強化。特に組織的・ネットワーク型・地域をまたいだ組織的脱税に対しては厳しく対応している。2024年以降、職業的な脱税グループを779件摘発し、9734人の容疑者に強制措置を実施、838人が自首した。また、ネット配信者や著名芸能人を含む高所得者層による脱税事件も法に基づき処理され、2021年以降の摘発件数は360件超、追徴税額は30億元(約619億4850万円)を超えた。不正な税優遇の享受を防ぐ取り組みも強化され、十四五期間中に2万1800件の不正・違法案件を摘発し、追徴税額は269億元(約5554億7155万円)に達した。

さらに、執行の適正化では、「信用+リスク」に基づく動的な監督体制を整備し、精緻な執行を推進。中低リスクの大半は申告前または申告中に解消され、企業への不要な負担を軽減した。2025年上半期、税務リスクへの事後対応件数は前年同期比で20.6%減少した一方、リスク管理による納付税額は12.7%増加し、執行の精度が高まったことを示している。国務院弁公室が「企業関連行政検査の厳格化・標準化に関する意見」を発表後、税務総局は企業向け税務執行に関する29項目の具体的な改善策を定め、調査の頻度や件数を抑えつつ質の向上を目指している。

王副局長は、「法治に基づく公正こそが最良のビジネス環境であり、最高の税務支援である」と強調。今後も一貫して公平な法執行を徹底し、企業が適法経営の下で成長できるよう後押ししていく方針を示した。(c)東方新報/AFPBB News