【三里河中国経済観察】「十四五」成果が示す統治力の進化
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【8月6日 CNS】災害時の迅速な対応、構造改革への挑戦、技術封鎖の克服、そして対外開放の継続──中国が「第14次五か年計画(十四五)」期間中に達成した一連の成果は、同国の統治能力が着実に向上していることを裏付けるものとなっている。
今年初め、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)シガツェ市(Shigatse)ティンリ県(Dingri)で発生したマグニチュード6.8の地震では、発生から30分で救助活動が開始され、数時間内に人員と装備を載せた航空機が現地に到着。当日の夜には被災者が温かい食事をとることができた。国家発展改革委員会の鄭柵潔(Zheng Shanjie)主任は、国務院新聞弁公室が主催する記者会見でこの対応を例に挙げ、「中国のスピードと制度的な優位性が明確に示された」と語った。
中国政府は、統治能力の向上を災害対応のみならず、ビジネス環境の整備や改革の推進にも反映させてきた。全国統一市場の構築が進み、民間経済促進法は提案から18か月足らずで成立。製造業への外資参入制限は全面的に撤廃され、全国の外資ネガティブリストも29項目にまで減少した。民間企業の登録数は5800万社を突破し、「十三五(第13次五か年計画)」期末比で40%以上の伸びを見せている。
その一方で、イノベーション分野でも顕著な進展が見られた。国産空母「福建(CNS Fujian)」や大型クルーズ船「愛達・魔都号(Adora Magic City)」の就役、中国独自の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」の建設完了、国産大型旅客機C919の商業運航開始、「嫦娥6号(Chang’e-6)」による月面裏側からの無人サンプル回収成功など、世界初・中国初の成果が相次いだ。
十四五期間の5年間で中国経済は累計35兆元(約724兆1465億円)以上の増加を遂げたとみられており、これは「広東(Guangdong)・江蘇(Jiangsu)・山東(Shandong)」三省の経済規模の合計、あるいは日本の年間GDPに相当する規模である。
鄭主任は、中国がこれほどの成果を挙げることができた背景には、「全面的な党の厳格な統治」があるとし、党の指導力、組織力、実行力があらゆるレベルで強化された結果であると強調。「民意の集中」「全国一丸の行動」が、都市から農村、工場から農地に至るまで広がっているとした。
統治能力の向上は、災害対応の現場から宇宙開発、民間経済に至るまで、広範な分野で国民の「獲得感」「幸福感」「安全感」を高めることに寄与しており、中国は引き続き、世界の統治モデルの一つとして「中国方式」を提示していく構えだ。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News