オジー・オズボーンさんに最後の別れ 故郷バーミンガムで葬列
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【7月31日 AFP】英イングランド・バーミンガムで30日、地元出身のロックミュージシャン、オジー・オズボーンさんの葬儀が営まれた。市内を葬列が進み、多くのファンが最後の別れを惜しんだ。
英ロックバンド「ブラック・サバス」のフロントマンであるオズボーンさんは、今月22日に76歳で死去した。2019年にパーキンソン病と診断されており、5日にバーミンガムで最後のコンサートを開いたばかりだった。
葬列は、家族と共に現地時間の正午ごろに出発。花で飾られた黒いジャガーの霊きゅう車が進む中、「オジー! オジー! オジー!」という歓声や「オジー、愛してる!」という叫び声が沿道に響き渡った。
オズボーンさんが幼少期を過ごしたアストン地区では、地元のミュージシャンによるブラスバンドの生演奏も行われた。
ノッティンガムから訪れた31歳の女性ファンは、「バーミンガムという都市がオジーを送り出す姿に胸を打たれた」と語り、「物心ついたときからのファン。息子も同じように育てた」と述べた。「彼は少し変わっていて、おかしなところもあったけれど、そういう存在がいてくれるのは素晴らしいこと」と話した。
友人と訪れた16歳のファンは、「敬意を表すために来た。オジーとブラック・サバスはバーミンガムを世界に知らしめた」と語った。最後のコンサートについては「この世のものとは思えないほど素晴らしかった」と振り返った。
オズボーンさんは生前、自身の葬儀を「悲しみに暮れる場」ではなく、「人生を祝う場」にしたいと語っていた。
葬列は市内の「ブラック・サバス・ブリッジ」に設けられた、メンバーの肖像があしらわれたベンチで一時停止。妻のシャロンさんら家族は、ここに花を手向け、風船や花束と共にファンが残した追悼メッセージに目を通した。家族は悲しみをあらわにしていた。
この橋には連日、ヘビーメタルの先駆けとなったオズボーンさんをしのび、数千人のファンが集まっている。
バイクに先導された葬列はこの後、近親者のみが出席する非公開の葬儀へと向かい、ゆっくりと進んでいった。
バーミンガムのザファル・イクバル市長は声明で、「オジーは単なる音楽界の伝説ではなく、バーミンガムの息子だった」と追悼。「家族による私的な葬儀の前に、ふさわしく、品位あるトリビュートを行うことはこの街にとって大切だった。すべてが始まったこの場所で、愛する家族と共に彼を送り出せたことを誇りに思う」と語った。葬列が市中心部に差しかかった際には、家族と抱擁を交わす姿も見られた。(c)AFP