カナダもパレスチナ国家承認へ 9月の国連総会で
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【7月31日 AFP】カナダのマーク・カーニー首相は30日、9月の国連総会でパレスチナを国家承認する意向を表明した。イスラエルとパレスチナが平和的に共存する2国家解決に望みをつなぐために必要な、劇的な政策転換だとしている。
カーニー氏は、「カナダは2025年9月に開催される第80回国連総会でパレスチナ国家を承認するつもりだ」と述べた。
これに先立ちフランスのエマニュエル・マクロン大統領が国連総会でパレスチナ国家を正式に承認すると表明しており、カナダはフランスと足並みをそろえることになる。
カーニー氏は首都オタワで記者団に対し、今回の決定は、数十年にわたるイスラエル・パレスチナ紛争に対する2国家解決というカナダの「長年の」信念に基づいていると説明。
「2国家解決の可能性は、われわれの目の前で崩れつつある」と語った。
さらに、イスラエルがイスラム組織ハマスとの戦闘で、パレスチナ自治区ガザ地区における人道的大惨事を防ぐことに「失敗し続けている」点、そしてイスラエル占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸とイスラエルに併合された東エルサレムにおける入植地の拡大にも言及。
「何十年もの間、(2国家解決は)イスラエル政府とパレスチナ自治政府間の交渉による和解を軸とした和平プロセスの一環として達成されることを期待されてきた」「残念ながら、このアプローチはもはや持続可能ではない」と述べた。
これに対しイスラエルは同日、カーニー氏の発表を「ゆがんだ国際的圧力キャンペーン」の一環だと非難した。
在カナダ・イスラエル大使館は声明で、「責任ある政府、機能する機関、そして善意ある指導者が存在しない状況でパレスチナ国家を承認することは、2023年10月7日に行われたハマスによる残虐行為を正当化し、報いることになる」と述べた。(c)AFP