【7月30日 AFP】タイは30日、カンボジア軍が国境で夜間攻撃を行ったとして、停戦合意への「公然たる違反」だと非難した。

タイとカンボジアは先週、長年続く国境寺院を巡る対立が激化し、800キロに及ぶ国境地帯で武力衝突に発展。5日間の戦闘で双方合わせて少なくとも43人が死亡した後、29日からの停戦で合意していた。

しかし、タイ外務省は、シーサケート県に駐留する自国軍が「カンボジア軍から小火器と手りゅう弾による攻撃を受けた」と発表。攻撃は30日朝まで続いたとして、「停戦合意への明白な違反だ」と強調した。

タイ首相府の報道官も夜間の交戦を報告したが、「タイ側は状況を制御しており、国境沿いの情勢は午前8時(日本時間同10時)以降、平常通りとなっている」と説明した。

こうした批判についてカンボジア側は、停戦を破ったことはないと一貫して否定してきた。

カンボジア側のAFP記者は、戦闘が始まった24日以降続いていた砲撃音が、停戦発効後の30日朝までは聞こえなかったと伝えている。

中国政府も、孫衛東・外交部副部長がタイおよびカンボジアの当局者と上海で会談し、両国が「停戦合意を順守する意思を中国側に再確認した」と明らかにした。(c)AFP