【7月30日 AFP】イスラエルの極右ベツァレル・スモトリッチ財務相は29日、同国はイスラム組織ハマスと交渉するのではなく、パレスチナ自治区ガザ地区を再占領すべきだと主張した。スモトリッチ氏は極右政党「宗教シオニズム」の党首で、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に居住している。

同氏はガザからの軍・入植者撤退20年のイベントで、「ガザはイスラエルの不可分の一部だ。(再定住に向けた)具体的な計画をどう進めていくのか? われわれは真剣に検討する必要がある。そして何よりも、成功させなければならない」と訴えた。

スモトリッチ氏は、ガザへの援助を認めれば政権を離脱すると脅していたにもかかわらず、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が新たな人道支援物資の供給を承認したことで、守勢に回っている。

スモトリッチ氏は「私がまだ政権にとどまっているのは、良いことが起こると信じるに足る理由があるからだろう」と述べた。

さらに、2005年にイスラエルがガザから入植者と兵士を8000人を撤退させたことを引き合いに出し、「20年前に、ガザが今のような状況になると誰が想像できただろうか?」と聴衆に問いかけ、現在はイスラエル人入植者の帰還に有利な状況にあることを示唆した。

先週、イスラエル国会(クネセト)で行われた会合で、議員や閣僚らに新たな入植地建設計画が提示された。

スモトリッチ氏は当時、「これは実行可能であり、現実的だ。私は非常に楽観的だ。ガザを征服し、イスラエル国家の不可欠な一部として定着させる」と述べた。

同じく極右のイツハク・バッセルラウフ・ネゲブ・ガリラヤ開発相も同意見で、「これはテロリストが払わなければならない代償であり、神の御心のままに、一刻も早く払われなければならない」と述べた。

イスラエルの複数の極右団体は30日、「20年の時を経てわれわれはガザ地区に帰還する」というスローガンを掲げてデモ行進を行う予定だ。

これに対しハマスは激しく反発。スモトリッチ氏の発言は「ガザ住民に対するジェノサイド(集団殺害)と強制移住の罪を犯し続けるという明白な脅威だ」と述べた。(c)AFP