厳しすぎる“K-POPの入場ルール”…不正転売対策がファンを苦しめるという皮肉 [韓国記者コラム]
このニュースをシェア
【07月30日 KOREA WAVE】韓国の人気バンドDAY6のファンミーティングで最近、学生が本人確認に必要な身分証明書を持参していたにもかかわらず入場できなかったという出来事が波紋を呼んでいる。問題となった学生は学生証を提示したが入場を拒否され、警察まで呼び本人確認をしたが結局公演を観ることはできなかった。
さらに他の観客は、本人確認のために「生活記録簿(生徒の学校生活記録)」まで要求されたと訴え、ファンの間で「行き過ぎた管理だ」と批判が広がっている。事態を受けて、所属事務所のJYPエンターテインメントは謝罪文を発表した。
このような事例はDAY6に限らず、K-POPアイドルの公演では繰り返されてきた。
現在、多くの公演では「本人確認」のために所定の身分証明書の提示が求められており、その対象は主に実物の住民登録証、運転免許証、パスポート、青少年証(学生証は不可)など。国が発行するモバイルIDも対象外とされるため、学生は別途、青少年証やパスポートの取得が必要となる。
加えて、提示された身分証の写真と実物の顔が違って見えるという理由で、銀行アプリを立ち上げて名前を確認させられたり、住民登録番号や住所を口頭で言うよう求められたりするケースもあるという。こうした一連の過程で、観客が個人情報を過度に要求される状況が常態化している。
一方、主催側はこれを「ダフ屋(不正転売)対策」として正当化しているが、その実、負担を強いられているのは正規ルートでチケットを購入した一般のファンたちだ。X(旧Twitter)やチケット売買サイトを見れば、高額転売が横行しているのは明らかであり、韓国コンテンツ振興院が設置するオンライン通報センターも、現金による個人間取引が中心である以上、実効性には限界がある。
その結果、抜本的な対策を打ち出さない一部の芸能事務所は、実際の観客に対し不合理な負担を押し付けているという批判が強まっている。ファンの「好きなアーティストを観たい」という気持ちにつけ込み、過剰な個人情報を要求したり、スタッフの判断で「本人ではない」として入場を拒否したりするのは、権限の乱用に近いという指摘もある。
今回の問題を受け、JYPは「観客保護の意図だったが、柔軟な対応と管理責任において至らぬ点があった」と謝罪した。しかし、一度傷ついたファンの気持ちを癒すには不十分だ。
本来、K-POP文化の最前線にいるはずのファンは、コンテンツの消費者でありパートナーである。にもかかわらず、その信頼を逆手に取るような管理運営では、文化の健全な発展は望めない。
現場の混乱を繰り返さぬためにも、実効性と公正性を兼ね備えた本人確認の制度設計が急がれる。【news1 コ・スンア記者】
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News