仁川市延寿区のあるマンションで捜査に入る警察官(c)news1
仁川市延寿区のあるマンションで捜査に入る警察官(c)news1

【07月29日 KOREA WAVE】韓国で銃器事件が「珍しくない時代」に入りつつあるとの懸念が高まっている。7月20日、仁川・松島での銃撃事件では容疑者の自宅から大量の自作爆発物が発見され、社会に衝撃が広がった。

ネット上では「自作という点が恐ろしい」「おもちゃのようなものも将来は危険になる」と不安の声が相次ぎ、銃器規制の実効性にも疑問が投げかけられている。

韓国では銃器や模造銃の所持が厳しく制限されているが、非正規銃器の流通は把握が困難で「ゴーストガン」とも呼ばれている。こうした自作銃の犯罪使用は韓国でも確認されており、日本での安倍晋三元首相暗殺事件も類似の事例とされる。

松島事件の容疑者も金属パイプを使って散弾銃を自作し、複数の弾丸を連射する仕組みだった。警察は先月、模造銃器820丁を違法販売・流通させたとして3人を検挙。押収品は人に深刻な被害を与える威力があった。

湖原大学のイ・マンジョン名誉教授は「自作銃事件は予見されていた。現行法は正式な銃器のみを対象としており、自作部品や設計図の共有は規制外だ」と警鐘を鳴らす。3Dプリンター製造なども法の“死角”にあるという。

イ・マンジョン氏は▽自作銃の定義の明確化▽部品・設計図の流通者の処罰対象化▽通関と探知技術の強化▽ダークウェブ遮断の国際連携▽サイバー監視強化▽教育・予防プログラム拡充――などを提言した。

韓国社会は「銃器清浄国」という自己認識の見直しを迫られており、制度と認識の両面での改革が急がれている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News