エジプト遺物に4000年前の手形 英博物館が発見
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【7月29日 AFP】英ケンブリッジのフィッツウィリアム美術館は28日、約4000年前のエジプトの遺物に残されていた珍しい手形を発見したと発表した。
手形が見つかったのは、死者の魂が休むための家を模した粘土製の副葬品の底部。この紀元前2055~1650年の間に作られた副葬品は、「魂の家(ソウルハウス)」とも呼ばれる。保存修復士が展示準備の際に発見した。
「エジプトの遺物でこれほど完全な手形を見たことがない」と、フィッツウィリアム美術館上級学芸員でエジプト考古学が専門のヘレン・ストラドウィック氏は述べた。
この手形は、副葬品を成型した後、乾燥させて焼く前の段階で、それを持ち上げた人物によって残されたという。
「すべての指が確認でき、手のひらがどこに置かれていたかもわかる」と、ストラドウィック氏はAFPに語り、「このようなものを見ると、それを作った人物が身近に感じられる」と感慨を語った。
「手形からその人の身元については何もわからないが、手の大きさは私の手と同じくらい小さい。もしこれが男性の手形だとすれば、その大きさから考えて若い人だった可能性があるし、あるいは工房で下働きをしていた人物が、乾燥させるためにこれらの品を運んでいたのかもしれない」と推測した。(c)AFP