【7月27日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は、ドナルド・トランプ米大統領による大規模な連邦職員削減の取り組みの下で、約3900人の職員を失う見込みとなった。同時にトランプ氏は、月と火星への有人ミッション計画を優先している。

NASAはメールでの声明で、約3000人の職員が25日遅くに締め切られた第2段階の繰り延べ退職プログラムに参加したと発表。第1段階の同プログラムに参加した870人と通常の退職者を合わせると、職員の数はトランプ氏の1月の大統領就任前の1万8000人から1万4000人になる見込みで、20%以上の減少となる。

NASAの繰り延べ退職プログラムで離職する職員は、合意された退職日まで管理休暇に置かれる。広報担当は、今後数週間でその人数が若干変動する可能性があると述べた。

NASAは「われわれは、より合理化され、より効率的な組織になる必要性と、月や火星を含む探査とイノベーションの黄金時代を追求する能力を完全に維持することとのバランスを取りながら、安全を最優先事項としている」と述べた。

トランプ政権による今年のNASA予算案は、月への帰還と火星への旅を最優先事項とし、科学と気候変動に関するプログラムを削減した。

ホワイトハウスは「月への帰還で中国に勝ち、最初に人間を火星に送り込む」ことに焦点を当てたいと述べている。中国は2030年までに最初の有人月面着陸を目指しているが、アルテミスと呼ばれる米国のプログラムは、度重なる遅延に直面している。

NASAは、トランプ氏の元顧問イーロン・マスク氏が支持するテクノロジー界の大富豪ジャレド・アイザックマン氏の長官指名がトランプ氏によって拒否されたため、暫定長官によって運営されている。(c)AFP