【7月25日 AFP】台湾で26日、最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人を対象とした異例のリコール(解職請求)投票が実施される。投票の結果次第で、立法院(国会、定数113)における勢力バランスが与党・民主進歩党(民進党)に傾く可能性がある。

頼清徳総統率いる民進党の支持者らは、親中国で国家安全保障への脅威だとして、国民党議員計31人の解職を目指しており、8月23日にも7人を対象としたリコール投票が行われる。

中国との関係強化を訴える国民党は、台湾民衆党の支援を受けて立法院の過半数を占めており、今回のリコール運動は台湾の民主主義を損なうものだと強く非難している。

政治アナリストのウェンティ・ソン氏はAFPの取材に対し、民進党が立法院で「暫定的に単純過半数」を獲得するには、国民党議員12人のリコール成立が必要だと語った。

さらに、立法院の過半数を確保するには、年内に行われる解職成立後の補欠選挙で6議席を上積みする必要がある。

■前例のない規模

英ロンドン大学東洋アフリカ研究学院の台湾政治専門家、ダフィド・フェル氏は今回のリコール運動について、台湾で「前例のない」規模のものだと指摘。

「台湾の民主主義と主権に対する深刻な脅威と認識している事態に反応した、台湾市民社会の強さ」を反映していると続けた。

リコール成立には、賛成票が反対票を上回り、かつ選挙区の有権者数の25%以上となる必要がある。

国民党も民進党議員15人のリコールを目指したが、失敗に終わった。

投票率が極めて重要となる中、民進党支持者は数週間前から地下鉄駅や公園、食料品店などで賛成票を投じるよう呼び掛けてきた。

23日夜には、雨にもかかわらず総統府周辺に数千人が集まり、リコールへの支持を表明した。

政治生命がかかる国民党議員たちも、街頭に出て反対票を投じるよう呼び掛けた。

国民党の支持者らは25日にも、デモを実施するとみられている。

多くのリコール投票が国民党の地盤で行われることから、フェル氏は民進党が立法院の過半数を獲得するのは困難だとの見方を示し、「たとえ国民党議員の一部のリコールが成立したとしても、その後の補欠選挙で他の国民党議員が議席を取り戻す可能性がある」と述べた。(c)AFP