【7月24日 AFP】世界保健機関(WHO)は23日、パンデミックやその他の健康危機への国際的な対応を規定する国際保健規則(IHR)に関する昨年合意された変更が米国の国家主権を侵害しているという米国の主張を否定した。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は記者団に対し、「われわれの任務は、エビデンスに基づく勧告とガイドラインを提供し、各国が国民の健康を守り、改善できるよう支援することだ」「しかし、各国がこうした助言をどのように実施するか、あるいは実施するかどうかは、これまでも、そしてこれからも、各国の判断に委ねられており、各国のガイドラインと規則に基づく」と述べた。

2024年、WHO加盟国194か国は、1969年に初めて採択されたIHRの一連の改正案を全会一致で承認した。

改正は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、制度の欠陥が露呈したことを受け、必要不可欠と判断された。2020年1月、WHOがIHRの最高レベルの警報を発したにもかかわらず、各国が迅速に行動を起こせなかったことが背景にある。

改正された規則は、より高度な「パンデミック緊急事態」レベルの警報を導入し、パンデミックが本格化する前に発動することを目指している。これにより、加盟国は「迅速な」協調行動を取るよう求められる。

だが先週、WHOからの脱退手続きを進めている米国のドナルド・トランプ政権は、これらの改正案を拒否した。

マルコ・ルビオ国務長官とロバート・F・ケネディ保健長官は共同声明で、改正案は「保健政策を策定するわが国の主権的権利への不当な干渉となる恐れがある」と反発。

「われわれはあらゆる行動において米国民を最優先し、米国民の言論、プライバシー、個人の自由を侵害する国際政策を容認しない」と続けた。

テドロス氏は、改正案が「加盟国によって提案、交渉、採択された」点を強調。

「WHOに各国に何をすべきかを指示する権限はない。渡航禁止、ロックダウン、ワクチン接種義務、その他いかなる措置も課すことはできないし、しようともしていない」「これはWHO設立文書であるWHO憲章に明確に規定されている」と続けた。

一方、WHOのスティーブン・ソロモン最高法務責任者は記者会見で、7月19日の期限前に改正案を拒否した国は「ほんの一握り」だったと述べた。

ソロモン氏は記者会見で、「2024年のIHR改正案は、IHR締約国196か国の圧倒的多数に適用されることは明らかだ」と続けた。(c)AFP