トランプ氏暗殺未遂事件やゆした風刺作家に無罪判決 独
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【7月24日 AFP】ドイツの裁判所は23日、ソーシャルメディアで昨年のドナルド・トランプ米大統領暗殺未遂事件をやゆしたとして、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の罪に問われた風刺作家に対し無罪判決を言い渡した。
2024年7月にペンシルベニア州で発生したトランプ氏暗殺未遂事件の後、セバスチャン・ホッツ被告(26)はX(旧ツイッター)に、最終バスとかけてトランプ氏と解く、その心は「残念ながら惜しくも逃した」と投稿した。
Xでは「エル・ホッツォ」という名前で活動するホッツ被告は、「ファシストが死ねば最高に素晴らしい」とも投稿した。
こうした投稿を警察に通報され、ホッツ被告は犯罪行為を容認した罪で起訴された。
ホッツ被告は、公共ラジオRBBの番組司会者も降板させられた。
検察は、これらのコメントは暗殺未遂事件を容認し、他者を暴力行為に駆り立てる可能性があるため、ヘイトクライムに当たると述べた。
さらに、ドイツで政治的動機に基づく犯罪が急増していた時期に、これらの投稿はホッツ被告のフォロワー約70万人に影響を与える可能性があるとも主張した。
マルクアレクサンダー・リービッヒ検事は「ドイツでは何を考えても良く、多くのことを発言できるが、すべてを言うことはできない」として、罰金6000ユーロ(約103万円)を求刑した。
だが、ベルリン・ティアガルテン地方裁判所のアンドレア・ビルムス裁判長は、この投稿は明らかに風刺であり、暴力を扇動する可能性はないと述べた。
ホッツ被告は公判開始時の声明で、「つまらない下品なジョークであろうと処罰を免れるべきだ。さもなければ、司法制度はすぐに逼迫(ひっぱく)してしまうだろう」と主張。
「ドイツは二つのことで知られている。面白くないユーモアとファシストだ」「私はその両方と闘うことを使命としてきた」と続けた。(c)AFP