【7月29日 People’s Daily】「第137回広州交易会第2期」が4月23日に開幕した。また、これに先立つ第1期(4月15日~19日)では「先進製造」がテーマとなり、216の国と地域から14万8585人の海外バイヤーが参加した。これは昨年4月の第135回から20.2%の増加となり、海外バイヤーの参加人数は過去最高を記録した。

中国の対外経済開放の重要な窓口「広州交易会」は、貿易促進の主要なプラットフォームとして、中国の外国貿易の「晴雨計」「風向計」として重要な機能を果たしている。交易会の会場では「中国製造(メイドインチャイナ)」の頑強な耐久性と対外貿易の活力を感じることができる。

会場内では、人混みの中を電動スーツケースに乗って展示会を回るバイヤーの姿が見られ、さまざまな展示エリアを自在に移動していた。

この荷物の収納と移動機能を兼ね備えた電動スーツケースは、江蘇省(Jiangsu)常州市(Chagzhou)の「常州愛爾威智能科技(AirwheelTechnologyHolding)」が出品した製品で、ワンボタンで操作バーが伸縮し「変身」する機能が備わり、多くの海外バイヤーの注目を集めていた。

展示された電動スーツケースはその場で買える商品でもあった。第1期交易会の総面積は52万平方メートル、ブース数は2万5000を超え、出展企業は1万1000社を超えた。この会場を1日かけて回ることは、多くのバイヤーにとって大変な苦労だが、これこそが電動スーツケースの性能を検証する絶好のテスト会場でもあった。

多くのバイヤーが「その場で買ってすぐに使う」を選択し、展示ブースでは毎日600個以上のサンプル商品が販売されていた。

同社の説明によると、このスーツケースは取り外し可能なリチウムイオンバッテリーを採用し、バッテリーの容量や箱のサイズなどは、航空機や高速鉄道のセキュリティチェックの要件を満たしているという。また、スーツケースの最高速度も厳格に制限されており、使用時の安全性が確保されているとのことだ。

「操作が簡単で、荷物を収納でき、非常に便利だ」、ブラジルから来たバイヤー夫婦はその場でこの商品を2つ注文した。

愛爾威社の販売総監・孫国(Sun Guo)さんの説明によると、4月18日午後、ニューヨークから来たバイヤーが展示ブースを訪れ「代理店としてこの電動スーツケースを販売できるか?」と訊いてきたという。これに対し孫さんは「もちろん大歓迎だが、製品は中国で製造されており、米国への輸出には関税問題があり、そこに一定の困難がある」と答えた。孫さんは提携の申し出には喜んだが、相手には率直な状況説明を行った。

米国のバイヤーもまた関税問題には懸念を抱えていたが、それでも提携には非常に意欲的で、「この製品は米国市場で大きなポテンシャルがある。購買チームと対策を検討してみる。できるだけ早く代理店契約を結びたい」と言い、短期間に提携をまとめるのは困難ではあるが、それでもぜひまとめたいと思うバイヤーは孫さんと連絡先を交換した。

孫さんは「広州交易会は絶好の展示と提携のプラットフォームだ。ここでは国内外の多くの顧客と出会うことができる」と話す。孫さんの説明によると、近年電動スーツケースの輸出額は年平均40%以上の急速な増加となり、交易会の数日間で、提携交渉に訪れた海外のバイヤーも多く、500万米ドル(約7億3380万円)の購入意向書が取り交わされた。

AI言語技術とソフトウェア、ICチップ開発の先端企業「科大訊飛科大訊飛(アイフライテック、iFLYTEK)」のブース前で、20年以上の出店経験を持つ「交易会ベテラン」の張明月(Zhang Mingyue)さんは、同社のデュアルスクリーン翻訳機の操作を詳細に試し、この製品「小さなAIアシスタント」の購入を決めた。

張さんは「中東、南米、アフリカなどの市場を開拓したいと考えている。この製品を使って、これらの市場の顧客と彼らの言語でコミュニケーションを取り、より早く距離を縮めたい」と抱負を語った。

この小さな翻訳機は、85の言語のオンライン翻訳に対応し、17の言語ではオフラインでも翻訳が可能だ。あるトルコの園芸設備の販売業者は「これは私が購入した15台目の科大訊飛の翻訳機だ。これのおかげで中国人の友人がどんどん増えている」と話している。

出展者とバイヤー双方の迅速なマッチングを目的に、交易会アプリはオンライン即時コミュニケーションの機能を搭載している。海外の買い手は出展者に興味のある製品をワンクリックで送信できるだけでなく、テキストや画像でコミュニケーションも可能だ。さらに音声やビデオ通話にも対応し、AI多言語翻訳機能も備えている。

20年以上交易会に参加している張明月さんは、現在交易会が引き付ける海外バイヤーの出身地が多様化し、少数言語を使用するバイヤーが増えていることに気づいた。張さんは「これは私たちにとって新しいビジネスチャンスであり、また中国の対外貿易がリスクと課題に対応するチャンスでもある」と話す。

またデータも張さんの感想を裏付けている。交易会第1期で、「一帯一路(Belt and Road)」協力国から来たバイヤーは20.2%増加し、BRICS諸国からのバイヤーは23.9%増加、「地域包括的経済連携協定(RCEP)」加盟国からのバイヤーは4.1%増加した。
 
多くの海外バイヤーは「現在の国際情勢は複雑ではあるが、中国と中国製品には引き続き強い信頼を寄せている」と言い、交易会への参加は単なる視察ではなく、「発注」のための参加だと述べている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews