ガザで「大規模な飢餓」拡大、100超のNGOが警鐘
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【7月23日 AFP】100以上の支援団体が23日、「大規模な飢餓がガザ地区に広がっている」と警鐘を鳴らした。米高官は今週、停戦と人道回廊設置の可能性について話し合うために欧州を訪問する予定となっている。
ガザ地区では、イスラム組織ハマスの越境攻撃をきっかけに始まった紛争が21か月にわたり続いており、200万人超が食料やその他の必需品の深刻な不足に直面している。
国連(UN)は22日、米国とイスラエルが支援する「ガザ人道基金」が5月下旬に活動を開始して以降、食料支援を求めるパレスチナ人1000人超がイスラエル軍に殺害されたと発表した。既存の国連主導のシステムが事実上、無視されていることが示唆された形だ。
国境なき医師団(MSF)、セーブ・ザ・チルドレン、オックスファムを含む111の支援団体は、「支援の提供者と対象者の両方が衰弱している」と訴える声明を発表した。
これらの団体は、即時の停戦交渉、すべての陸路の開放、国連主導のメカニズムを通じた自由な支援の流通を求めた。
支援団体による声明は、スティーブ・ウィトコフ米国特使が欧州を訪問し、ガザに関する会談を行い、その後、中東へと向かう可能性があると発表された翌日に出された。
国務省のタミー・ブルース報道官は、ウィトコフ氏について「新たな停戦と、両者が合意した人道的援助のための回廊を実現する強い希望を持っている」と記者団に語った。
ガザ地区での支援状況についてイスラエル側は、人道支援は許可されていると主張。ハマスが市民の苦しみを利用し、食料を盗んで高値で販売したり、援助を待つ人々を銃撃したりしていると非難している。
声明は、何トンもの支援物資がガザ地区内外に手つかずのまま残されていると指摘。物資へのアクセスや搬送が妨げられていることがその原因とした。
声明に署名した支援団体の一つは、「人道システムは空約束では機能しない。人道支援者は変動するタイムラインや、アクセスを伴わない政治的約束を待つことはできない」と述べた。国連のアントニオ・グテレス事務総長も、ガザ地区のパレスチナ人が直面している「恐怖」は近年例を見ない水準にあるとしている。
ガザ最大の病院責任者は22日、過去3日間で子ども21人が栄養失調と飢餓で死亡したと述べた。(c)AFP