【7月26日 People’s Daily】中国で流行しているショートドラマが国際市場でもこれほどの人気を博すとは、多くの人びとにとって予想できないことだった。

「本当にハマる!」、これは海外向けショートドラマプラットフォーム「ReelShort(リールショート)」で高い人気の作品への評価コメントだ。

ある米国人ユーザー(31)は、ショートドラマに夢中になり、年間200米ドル(約2万8914円)払ってこのプラットフォームのサービスを購入している。

近年、ショートドラマを含むネットドラマやネット文学、ネットゲームは、海外市場で急速に定着し、影響力が広がり、中国の文化輸出の「新三様」と呼ばれている。

データによると、中国のショートドラマの海外向けアプリケーションは300種類を突破し、全世界で累計ダウンロード数は4億7000万回を超え、200以上の国と地域を網羅している。

中国の自主開発ゲームの昨年の海外市場売上額は185億5700万米ドル(約2兆6828億円)に達し、ネット文学の海外展開主要プラットフォームの一つ「起点国際( WebNovel)」の海外ユーザー累計アクセス数は延べ3億人に迫っている。

多くのネットドラマ、ネット文学、ネットゲームが海外に進出することで、文化の「海外進出」のジャンルを多様化させるだけでなく、壁を越えた中国文化の拡散を促進している。

餃子作り、太極拳、中国語会話など、従来の文化輸出「旧三様」は主に中国文化に関心のある層を惹きつけていた。これに対して「新三様」は、より広い層を対象に、感覚的に通じる共通性のある表現スタイルを通じて文化の壁を打破している。

これらカルチャー分野の製品は、海外の視聴者の日常的なカルチャー消費に溶け込み、文化の伝播における新しい形態を生み出している。海外の視聴者は、中国文化の象徴や歴史的シンボルを目にするだけでなく、中国の精神的な特質や中国文明の核心的要素を潜在的に感じ取り、製品の背後にある高い制作水準や革新的能力を認識するようになった。

例えば「ReelShort」の運営初期は、中国国内のショートドラマを直接翻訳して海外で配信していたが、市場反応は平凡なものだった。その後、戦略を変更し、俳優、シーン、脚本では現地の素材を活用し、海外ユーザーが好むコンテンツに合わせ続けた結果、製品は急速に人気を博すようになり、世界の1日当たりのアクティブユーザー数が1000万人を突破した。

感情の共鳴を捉え、作品を現地の特色と融合させることは、文化の伝播のための通行証だと言える。これにより、作品が「現地に根付く」だけでなく、文化の交流も「潤物無声(小雨が静かに草木を潤す様子)」のように浸透していく。

中国のカルチャー産業は、市場化の手法で海外に進出し、企画から制作・配信までの全方位的な輸出体制を確立した。これによりいっそう深いレベルの国際交流と相互理解が促進されるようになった。 

現在、「新三様」の関連業界では「精緻な作品作り」の意識が高まり、より多様な題材、より美しい物語、より質の高い作品制作で、海外の視聴者を惹きつけるための努力が続いている。

オンラインゲーム『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』で中国の古典小説「西遊記」の世界に入り込み、主人公キャラの「天命人」になってみる、オンライン競技に参加し「eスポーツの達人」になるなど、海外の視聴者は様々な楽しみ方をしている。

『黒神話:悟空』『全職高手(King's Avatar、マスターオブスキル)』など世界に知られたオンラインゲーム作品を含め、中国のカルチャー製品は、質の高いコンテンツ、最先端の技術とスタイルで、現代中国の魅力を十分に発揮している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews