2024年末、国立永川護国院で再埋葬のため収拾された国家有功者の遺骨箱=国家報勲省労組提供(c)news1
2024年末、国立永川護国院で再埋葬のため収拾された国家有功者の遺骨箱=国家報勲省労組提供(c)news1

【07月17日 KOREA WAVE】韓国・国家報勲省が管理する国立墓地で、国家有功者(政府から国功を立てた者と認定された者)の遺骨箱に水がたまるという管理不備が発覚し、遺族や市民から批判が相次いでいる。こうした事実を遺族に知らせず、実験用乾燥機で乾かして遺骨を返却していた実態も明らかになり、故人への礼遇をめぐる議論が広がっている。

国家報勲省労働組合によると、慶尚北道にある永川護国院をはじめとする全国の国立墓地で、遺骨箱内の水たまりや墓域の浸水といった問題が多数確認された。特に永川護国院では、遺族の要請で遺骨を再埋葬する過程で、遺骨箱内に大量の水がたまっていたという。

労組側は「遺族が移送や再埋葬を希望して遺骨箱を開けると、ほぼ全て水浸しの状態。こうした事態への対応マニュアルが一切ない」と指摘。また、墓地側が事実を隠蔽しようとした疑いも持たれているという。

実際、乾燥手段として使われたのは“実験室用乾燥機”で、再火葬などの正式な手続きを経ずに乾燥させたことについても「国家有功者への敬意を欠いた対応」との非難が高まっている。

過去にも同様の問題は繰り返されていた。2021年には大田顕忠院で、朝鮮戦争の参戦兵の遺骨箱が水で満たされているのが見つかり、遺族の抗議を受けて排水施設が補強された。また、2020年の光州市では大雨による慰霊施設の浸水を受け、再火葬の上で再安置する措置がとられた。

国家報勲省は2022年に「国立墓地管理・運営総合対策」を発表し、雨季の水たまり対策や地下水位上昇への対応を目的とした排水施設の改善を進めると表明していたが、今なお問題は繰り返されている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News