【7月22日 People’s Daily】中古車の輸出を手掛ける国営企業「広東広物優車科技」(以下、広物優車)の許曉慶副総経理は、社員を指揮して、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の南沙港の自動車専用ターミナルで、船積みを待つ中古車の車列の間を駆け回り、出荷台数を確認しながら、車両の実物と船積ドキュメントを照合していた。

「この貨物はUAEのドバイ向けだ」、許氏はエンジンフードに手をかけ、港に目をやりながらこう言った。

広州港南沙港の自動車口岸(国際貿易港区税関検査場)のヤード面積は160万平方メートルを超え、華南地区最大級の自動車専用RO-ROターミナル群(Roll on/Roll off)を形成している。許氏が点検している貨物(中古車)は整然と並べられ、外観も良好で、車体に貼られた書類をよく見なければ、中古車だとは分かり難い。

許氏の説明によると、新車はブランドディーラーが構築した階層的な販売ネットワークに基づいて販売されるが、中古車販売ではこのような仕組みに縛られることなく、自社独自の強みが発揮できるという。

データによると、2019年に中古車輸出のパイロット事業を開始して以来、中国の中古車輸出量は何度も新記録を更新している。「広物優車」は全国で最初に中古車輸出資格を取得した40社のうちの1社だ。

許氏によれば、中国の中古車は品質が良く価格が手頃で、耐久性にも優れているため、海外の顧客から高い評価を受けているという。

自動車口岸の業務責任者・盧潤生(Lu Runsheng)さんに案内されて、記者は近海港区内に事務所を置く「広物優車」の「機動車(自動車)登録サービスステーション」を訪れた。ここは輸出される中古車が最初に搬入される場所だ。

ステーションの職員・江泓(Jiang Hong)さんの話によると、このステーションは、当地の商務局や公安部門の支援を受けて設立された中古車輸出の「ワンストップサービス」を提供する施設だ。

中古車が到着すると、まずホールで自動車情報の入力や名義の書き換えなどの事務処理を行い、その後検査区域に移動して第三者検査を受ける。

関係者の説明によると、中古車輸出業務の促進のため、広州税関は税関総署の指導を受けながら、監督管理プロセスの最適化調整を続け、オンライン予約通関、事前申告、到着後即時検査、口岸搬入後直接船積みなどの利便化措置を実現させている。専任担当員の配置や優先審査の実施で、企業の輸出関連コストが大幅に削減され、通関効率が向上した。

今回のドバイ向け輸出車両が全て港に到着してから、わずか1日足らずで輸出手続きが終了し、船積み待ちの状態になった。「税関が自動車輸出通関の円滑化措置を徹底してくれたおかげで、ローロー船入港時に『車両到着、即検査、即船積み』が実現した」、盧さんは感慨深げにそう話した。

「200台の車両は予定通りに出荷完了、2週間後にドバイ・ジェベ・アリ自由貿易区に到着予定。荷受け準備を願う」、「広物優車」の営業担当・余文欣(Yu Wenxin)さんはドバイの顧客にメッセージを送った。ドバイのバイヤーからは「素晴らしい!貴社の効率は非常に高い!」と、称賛の返信があった。

広東省は自動車生産の大省であり、中古車取引の大省でもある。自動車市場は成熟し、豊富な輸出車両の供給源を有している。19年7月、中国初の中古車輸出は広東省の企業によって完了し、300台の総額250万米ドル(約3億6185万円)の中古車が南沙港から分割出荷され、カンボジア、ナイジェリア、ミャンマー、ロシアなどの国と地域に輸出された。
  
中古車輸出は広範な分野を跨ぐシステムプロジェクトであり、政府と企業の連携や政策支援、市場の育成、サプライチェーンの整備が不可欠だ。

19年以降、広州市は行政サービスの最適化、経営の規範化、市場の拡大、基準の制定など多角的な取り組みで、中古車輸出事業を後押ししてきた。現在、市内には中古車輸出関連事業を営む企業が200社余り存在する。

統計によると、24年、南沙自動車口岸のRO-RO船による自動車輸出台数は24万8500台で、前年比38.5%増加した。そのうち、中古車の輸出は3万3486台、貨物価値39億9300万元(約806億1867万円)で、それぞれ前年比251%、239%増加した。

広州市最大の中古車取引市場「宝利捷中古車取引市場」では、海外の取引関係者の姿が時折見られる。同市場の劉洪波(Liu Hongbo)副総経理は「老朽車廃棄更新や中古車買い換えなどの支援政策の実施以降、品質の良い中古車が多数市場に流入している。外国のバイヤーは中国の自動車、特に新エネルギー車に強い関心を示しており、多くの外国人バイヤーが即決で注文を入れるようになった」と説明する。

24年12月には、広州市初の「中古自動車輸出サービス基地」が設置された。敷地面積は2万400平方メートル、11の機能区域に分けられ、提供可能な車両の準備、登録・ナンバー取得手続き、自動車検査、サンプル車両の展示、倉庫物流、輸出取引などの「ワンストップ式サービス」を提供し、中古車輸出に関連する全ての産業チェーンを網羅したサービス体系が整備されている。

今年、広州市の中古車輸出政策がさらにレベルアップされ、中古車の並行輸出手続きの簡便化が進んだ。

「広物優車」の許副総経理は「これは我々にとって重要な改善だ。市の中古車輸出市場に新たな活力を注入し、中古車輸出の全体的な競争力を向上させるものだ」と、その意義を強調している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews