中国が主導するスマートでグリーンな転換、協力こそ唯一の道
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【7月18日 CNS】「人類は持続可能な発展に向けて転換を進めている……私たちは、スマート化とグリーン化によって新たな技術進化を促す必要がある」。
南開大学(Nankai University)の元学長であり、中国次世代人工知能戦略研究院の執行院長を務める龔克(Gong Ke)教授は、2025年夏季ダボス会議の期間中、中国新聞社(CNS)の「中外対話」シリーズにおいてこう語った。
天津市(Tianjin)で6月24日から26日にかけて開催され、世界経済フォーラムによる「2025年の注目すべき新興技術トップ10」報告書も発表された。協調センシング(複数機器による連携型の感知技術)」「グリーン窒素固定(環境に配慮した窒素固定技術)」「構造電池複合材料(構造と蓄電機能を兼ね備えた新素材)」といった最先端技術が選ばれ、世界的な注目を集めている。
今回の対話には龔克教授のほか、オーストラリア国立大学(The Australian National University)サイバー研究所の所長キャサリン・ダニエル(Katherine Daniell)教授、学術誌を発行するスイスの出版社「フロンティアーズ(Frontiers Media)」の編集担当重役であるフレデリック・フェンター(Frederick Fenter)氏も参加し、技術のトレンドとグローバル協力について語り合った。
■技術の融合:スマートとグリーンの二重奏
専門家たちは、人工知能(AI)が産業の根幹に深く浸透し、グリーン技術との融合が加速していると指摘する。
龔克教授は「これらの技術は、スマートであることだけでなく、グリーンであることにも重きを置いている」と述べ、ナノ材料、生物酵素、ペロブスカイトなどの最先端領域で、低炭素・高効率を目指す技術革命が進んでいると説明した。
「2025年新興技術レポート」の中心メンバーの一人であるフェンター氏もこれに強く共感し、グリーン窒素固定技術を例にあげた。「現在、世界のエネルギー消費の約1.7%がアンモニアの合成に使われており、1トンのアンモニアを生産するたびに約2.4トンのCO2が排出されている」と指摘。従来の高エネルギー消費型の方法に代わり、生物学的あるいは電気化学的な手法を導入すれば、農業のカーボンフットプリントを大幅に削減できるという。「このように異なる分野の技術が融合することこそが、今回の報告書の重要な注目点だ」と語った。
■協調と可能性:センシングネットワークと素材革新
協調センシング技術は、こうした融合型技術の代表例だ。
「この技術は、ロボットやIoT機器、デジタル端末などの間で情報共有を可能にし、全体としての賢い意思決定を支える基盤となる。これは不確実性の高い分野での活用にとても有効だ」と、ダニエル教授は述べた。
彼女はオーストラリアの森林火災対策システムを例にあげ、衛星監視、ドローン偵察、緊急対応システムを協調センシング技術で統合することで、安全性と対応力が大きく向上したと説明した。
また、構造電池複合材料も注目のイノベーション例だという。「エネルギー貯蔵機能を車体の素材自体に組み込めば、車両の軽量化とエネルギー効率の向上につながる」と彼女は語る。
■中国のリーダーシップと、国際協力の必要性
特にダニエル教授は、中国が新エネルギー車の普及やグリーンスマートシティ建設において世界をリードしていることに触れ、「構造電池などの新技術分野でも、中国は大きな可能性を持っており、世界にとって有益なモデルになる」と述べた。
今後について龔克教授は、中国が太陽光発電の設備容量やAIイノベーションで世界をリードしているとはいえ、「それだけで課題を解決できるわけではない」と強調した。
「たとえ中国が全産業分野を擁していたとしても、それが世界のすべてではない」と述べ、「スマート化やグリーン化といった課題の解決には、国際的な連携が不可欠だ」と訴えた。
フェンター氏もこの意見に同意し、「今のような複雑な状況は確かに難しさを伴うが、その中からこそ破壊的イノベーションが生まれる可能性がある」と指摘した。
最後に龔克教授は「技術の壁を越え、開かれた、共有可能な、互いに利益をもたらすイノベーションの生態系を築かなければならない」と呼びかけた。
「国際協力を深化させることこそが、スマートでグリーンな転換を進め、持続可能な発展を実現する唯一の道だ」と、力強く語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News