【7月16日 AFP】ポーランド政府は15日、ローマ・カトリック教会の司教2人が同国の移民政策を痛烈に批判したことを受け、バチカンに抗議したと発表した。

ポーランドは、同国の国家主義運動に近い司教らが内政に干渉し、同国とドイツとの関係を悪化させていると主張した。

ポーランド外務省は大使を通じてバチカンに送った書簡で、「われわれは、人間の尊厳の基本原則とポーランド共和国政府の主権を損なう、人を傷つけ、容認できない言葉を含む発言には同意しない」と述べた。

先週、チェンストホバのアントニ・ドゥルゴシュ司教はドイツとの国境検問所で「市民パトロール」を組織する超国家主義的な「国境防衛」運動を公然と支持した。ポーランド政府は、このパトロールは違法だと主張している。

ポーランドは最近、不法移民の流入を阻止するため、ドイツとの国境管理を再導入したが、国家主義の野党や極右は、親欧州派の現政権が移民問題でドイツに「屈服」し、ポーランドが移民であふれかえらせることを許していると非難している。

ブウォツワベクのビエスワフ・メリング司教は、ポーランド政府を「政治的ギャング」と呼び、17世紀のポーランド詩人の言葉を引用し、ポーランド人とドイツ人は決して分かり合えないと訴えた。

メリング氏は、ドイツ国境で起きている出来事をベラルーシ国境の状況になぞらえ、「わが国の国境は、西からも東からも等しく脅威にさらされている」と述べた。ベラルーシとロシアは、欧州連合(EU)の安定を脅かすために移民の越境を奨励しているとして非難されている。

外務省はバチカンに送った書簡で「深い憤り」を表明し、メリング氏の発言について、「容認できない」「ポーランドとドイツの良好な関係を損ない、政府を中傷し、国家主義者への明確な支持を示すものだ」と非難している。(c)AFP