エプスタイン事件、「信頼できる」情報はすべて公開すべき トランプ氏
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【7月16日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領(共和党)は15日、悪名高い性犯罪者で勾留中に死亡したジェフリー・エプスタイン元被告の捜査について、司法省は「信頼できる」情報はすべて公開すべきだとの考えを示した。支持者からの事件処理への批判が高まっており、火消しを図ったとみられる。
政権がエプスタイン被告の犯罪の生々しい詳細を隠蔽(いんぺい)し、関与が疑われる富裕層や権力者を守ろうとしているのではないかとの疑惑により、トランプ氏は政治キャリア史上最も深刻な分裂に直面している。
トランプ氏はホワイトハウスでこの事件について問われた際、パム・ボンディ司法長官は「非常にうまく対応した」「彼女は非常にうまく対応した。すべては彼女次第だ」「彼女が信頼できると考えるなら、何でも公表すべきだ」と述べた。
さらに、「エプスタイン・ファイル」はジョー・バイデン前大統領らによって「でっち上げられた」との主張を繰り返した。選挙運動中は「おそらく」公開するだろうと何度も述べていたにもかかわらずだ。
トランプ氏は大統領執務室での発言やSNSへの投稿で、支持者の「エプスタイン・ファイル」への執着に不満を表明し、支持者たちに気持ちを切り替えていこうと訴えていたが、今回の発言は、態度を軟化させたものとみられる。
トランプ氏の支持基盤である「米国を再び偉大に(MAGA)」運動は、「ディープステート」のエリートたちが民主党とハリウッドにおけるエプスタイン元被告の最も有力な仲間たちを守っていると長年にわたって信じてきた。
トランプ政権がMAGAの執着の対象となったエプスタイン元被告絡みの陰謀論を事実上封じ込めて以来、MAGAの怒りは高まっている。
トランプ氏は何度か火消しを試みたがほとんど効果はなく、極右のインフルエンサーたちはオンラインでトランプ氏を批判し続けている。
次男エリック氏の妻で、FOXニュースの司会者でもあるララ・トランプ氏でさえ、政権に「さらなる透明性」を求めている。
トランプ氏の米議会における最も強力な盟友であるマイク・ジョンソン下院議長は16日、政権に対しエプスタイン元被告の事件に関するさらなる情報を公開するよう強く求めた。
ジョンソン氏はMAGAのインフルエンサー、ベニー・ジョンソン氏のインターネット番組で、「すべてを明らかにし、国民に判断を委ねるべきだ」と述べ、ボンディ司法長官に対し、事件に関する発言における明らかな矛盾について「公の場で釈明する」よう求めた。
ジョンソン氏の姿勢は、多数の共和党議員に支持されている。
ボンディ司法長官から「エプスタイン・ファイル」に自分の名前が記載されているかどうか伝えられたかと問われると、トランプ氏は「ノー」と答え、ボンディ氏からは「ごく短い説明を受けただけだ」と付け加えた。(c)AFP