【7月15日 AFP】米国の主要なアイスクリーム製造会社数十社が14日、人工着色料の使用を段階的に廃止する計画を発表した。ロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官の働きかけに呼応した動きだ。

国際乳製品協会(IDFA)は、トップアイスクリームブランドを含む所属企業40社以上が、2027年末までに石油由来の合成着色料の使用を停止する方針を示していることを明らかにした。

これらの化学物質は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)やがん、糖尿病、消化器系の不調、遺伝子異常などと関連していることが研究で示されているが、見た目をよくする以外に栄養的・機能的な意味を持たないと、健康擁護団体は長らく主張してきた。

ケネディ氏は記者会見で「今日は私の好きな食べ物であるアイスクリームに関する話なので、特にうれしい」と述べ、乳製品業界の取り組みを称賛した。

IDFAのマイケル・ダイクス会長も「今日は乳製品業界にとって素晴らしい日であり、『米国を再び健康に(Make America Healthy Again)』するための素晴らしい日でもある」と語り、ケネディ氏のスローガンに言及した。

業界データによると、米国では国民1人当たり年間約8.6キロのアイスクリームを消費しており、同製品は年間約120億ドル(約1兆7700億円)を経済にもたらし、乳製品業界で2万7000人超の雇用を支えている。

ケネディ氏は4月、二つの合成着色料の認可を撤回し、さらに六つの着色料について「業界と協力して」使用を廃止する方針を発表したが、この姿勢については「対応が甘く、業界の自主性に依存しすぎている」との批判も出ていた。

一方、ジョー・バイデン前政権下の食品医薬品局(FDA)は政権末期、最も広く使用され論争を呼んでいた着色料「赤色3号」の食品への使用を実際に禁止する最終規則を決定している。(c)AFP