地震に乗じた「火事場泥棒」、住民にリンチにかけられ死亡 グアテマラ
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【7月12日 AFP】中米グアテマラの町サンタマリアデヘススで、地震による混乱に乗じて火事場泥棒をした疑いを掛けられた5人の男性が、怒れる住民にリンチ(私刑)にかけられて殺害された。警察が11日、明らかにした。
8日のマグニチュード(M)5.7 の地震を本震とする一連の地震では7人が死亡。サンタマリアデヘススが最も大きな被害を受けた。
警察の担当者、セサル・マテオ氏はAFPの取材に対し、「住民は5人を拘束し、窃盗の疑いでリンチにかけた」と述べた。
5人は本震の後、住民が避難所や親戚の家に身を寄せる中、暗闇に紛れて家々に侵入したとされる。
マテオ氏は「確かに窃盗は犯罪だが、リンチも犯罪だ」と述べた。
グアテマラでは犯罪者が罰を受けずにいることへの反発として、自警団による暴力行為が頻発している。
ソーシャルメディアで拡散している動画には、地面に押し倒された男性が住民に殴打され、ガソリンをかけられて火をつけられる場面が映っている。
先住民マヤ族が暮らすサンタマリアデヘススは、地震による土砂災害で停電が発生し、道路も寸断されたため、政府は航空機を使って支援物資を送り込んだ。
マリオ・ペレス町長によると、人口2万7000人のサンタマリアデヘススでは、建物の約半数が何らかの被害を受けた。
グアテマラの市民社会団体「相互支援グループ」によると、2008~2020年、同国では自警団による「正義」の行使により361人が死亡、1396人が負傷した。(c)AFP