【三里河中国経済観察】ゴミ焼却の海上輸出、廃棄物を緑に変える新たな展望
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【7月16日 CNS】「中国のゴミが足りなくなった!」
最近、「ゴミ焼却炉が飢えている」という話題が注目を集めている。報道によると、ゴミ焼却施設がゴミを求めて争い、さらには海外でゴミを探しているというのだ。
一体、どういうことだろうか?
長い間、ゴミ処理問題は多くの都市にとって大きな悩みの種だった。
2005年、世界銀行(World Bank)の報告書は冒頭でこう述べている。「世界中で、中国が現在直面している固形廃棄物の量の増加の速さや規模に匹敵する国はない」
当時、一部の人びとは「中国全土がゴミに占拠される」と予測していた。
では、かつてゴミの山があふれかえっていた街は、なぜ姿を消したのか?
「長年にわたり中国を悩ませてきたゴミ処理問題の解決には、ゴミ焼却発電の急速な発展が大きく貢献している」と清華大学(Tsinghua University)環境学院の劉建国(Liu Jianguo)教授は話している。彼によると、設備、技術、管理のすべての面で、中国のゴミ焼却産業は国際的に先進的な水準にあるということだ。
埋立処理から焼却処理への転換を実現したのは、ゴミ焼却施設が中心的な役割を果たしたからだ。2024年10月時点で、全国のゴミ焼却施設は1010か所に達しており、世界全体の半分を占めている。
海南省(Hainan)は、中国で初めて全県でゴミ焼却発電を実現した地域だ。三亜市(Sanya)にある生活ゴミ焼却発電所を訪れると、2万トンのゴミを貯蔵できる密閉型のゴミ倉庫があった。
ここでは、1トンのゴミで340~350キロワット時の電力を発電でき、これは家庭1軒分の1か月の電力消費量に相当する。直感的に言えば、5つの家庭から出るゴミで1家庭の電力消費をまかなうことができるのだ。
清潔で効率的なゴミ焼却施設は、中国のゴミ処理能力を大きく向上させた。ゴミを電力に変えるリサイクル活動や、廃棄物の再利用といったグリーンな取り組みが全国で広がっている。
中国エコ環境部が発表した「2024年中国エコ環境状況公報」によると、2024年の全国都市生活ゴミ処理量は2億6236.62万トンで、無害化処理能力は1日あたり115.55万トン、無害化処理量は2億6198万5800トンに達している。
これにより、「第14次五か年計画」の目標が早期に達成された。具体的には、2025年末までに全国の都市生活ゴミ焼却処理能力が80万トン/日程度に達する予定だったのだ。
しかし、このデータの裏には別の側面も隠れている。つまり、中国の無害化処理能力はゴミ収集量を大きく上回っており、ゴミ焼却発電所が「満足に処理できていない」という現象が起きているのだ。
調査機関の調べによると、現在、中国のゴミ焼却施設の平均稼働率は約60%で、40%の能力は未使用のままだということだ。多くのゴミ焼却施設では、ゴミを確保するための争奪戦が繰り広げられ、なんと20年前に埋め立てたゴミを掘り起こしているところもあるそうだ。
劉建国教授は、ゴミ焼却施設が過剰に建設された背景には、過去に急いでゴミ処理問題を解決し、比較的成熟したビジネスモデルを作り上げたかったという理由があると考えている。そのため、施設が実際の需要よりも多く作られてしまったのだ。
現在、ゴミ焼却炉を「満腹」にさせるためには、短期的には処理可能なゴミの量を増やす必要がある。
劉教授は、これまで管理されていなかったゴミを焼却処理に回すことを提案している。例えば、農村部の生活ゴミや、焼却処理に適した工業廃棄物、有機廃棄物などだ。
一部の企業は、海外でゴミを探し始めている。多くの大手企業が海外でゴミ焼却プロジェクトを展開しており、東南アジアや中央アジアに加え、イギリスやフランスといった先進国とも協力を進めている。
ゴミ問題の解決は、中国の環境保護産業の台頭を象徴している。ゴミ焼却施設が「食べきれない」から「強力な輸出」に転換することは、エコ文明の産業化に向けた大きな一歩を意味している。焼却技術は海外に進出し、輸出されるのは単なる設備だけでなく、完全な産業チェーンそのものだ。
長期的に見れば、「ゴミ不足」の問題は存在しても、環境保護への取り組みは一層強化する必要がある。源からの削減、ゴミ分別の深化、ゴミの削減、資源化と循環利用を実現することこそが、持続可能な緑の発展の道であると言える。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News